『やり抜く力』から学ぶ家庭教育~12.将来社会で活躍するためには「才能」より「努力」が大切

人生において成功できるかどうかは,「やり抜く力」の有無に左右されると言われています。『やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』(アンジェラ・ダックワース著/ダイヤモンド社)を読み解きながら,「やり抜く力」について考察を深めます。

やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

 
「うちの子は飲み込みが悪くて心配です」「他の子よりペースが遅いのですが,大丈夫でしょうか」という質問をよくいただきます。「才能」がなければ,将来社会で活躍できないのでしょうか。

この問いを考えるにあたって,「才能」と「努力」に関する公式をご紹介しましょう。『やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』の著者であるアンジェラ・ダックワース氏は,本書で次のような方程式を紹介しています。

〈才能 × 努力 = スキル〉→〈スキル × 努力 = 達成〉

「才能」とは,努力によってスキルが上達する速さのことで,「達成」とは,習得したスキルを活用することによって表れる成果のことです。
 
物事を「達成」する,成果を出すためには,「努力」が二重に影響することが分かります。例えばある人の「才能」が,たとえ普通の人の半分だったとしても,2倍「努力」すれば,皆に追いつくだけでなく,2倍の「達成」を得られることになります。
 
【才能1/2,努力2の場合】
〈才能 1/2 × 努力 2 = スキル 1〉→〈スキル 1 × 努力 2 = 達成 2〉
 
【才能1,努力1の場合】
〈才能 1 × 努力 1 =スキル 1 〉→〈スキル 1 × 努力 1 =達成 1〉
 
事業活動を通じて,要領よく物事をこなす「才能」がなくても,「努力」し続けることで,自身の夢や目標をどんどん達成していく生徒を多く見てきました。一方で,物事を要領よく「才能」があっても「努力」できず,自身の夢や目標を叶えられない生徒もいます。
 
どうか「うちの子は才能がないから」と言って諦めないでください。飲み込みが遅くても,コツコツ努力する姿勢があれば,夢や目標を叶えることができます。将来社会で活躍するために必要なのは,「才能」ではなく「努力」なのです。
 
 
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