『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』(アーリック・ボーザー著/英治出版)をもとに,効果的な学習法について探ります。

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ
- 作者: アーリック・ボーザー,月谷真紀
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2018/07/19
- メディア: 単行本
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「自ら学ぶ姿勢」が学習の効果を最大化する
事業活動を通じて,「ある課題を解けたか・解けなかったか」「自分の子どもができるか・できないか」を気にして,子どもをサポートし過ぎる保護者の方が多いと感じています。例えば,次のような接し方をよく目の当たりにします。
- 間違えているところは,親が正解を教えてあげる
- 作文などで,親が気になるところは「こう変えた方がいいよ」と指摘して書き直させる
- 子どもが「できない」「分からない」と言うと,すぐに助けてあげる
- 子どもに任せると時間がかかり過ぎるため,親が手伝ってあげる
このような接し方をすると,一時的に正解が増えますが,親のサポートが前提となっているため,なかなか子ども自身でできるようになりません。また,親に教えてもらった正解はすぐに忘れてしまうでしょう。
『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』では,次のように書かれています。
「長期的な学習力を最大化するためには、自分で学ぶ必要があるんです」
ヒントのみを与え,子どもに考えさせる
学習力を最大化するために,答えはあえて教えず,ヒントのみを与えて子どもに考えさせましょう。本書では次のような具体例が取り上げられています。
子どもに短い作文を書かせたとき,いくつかのスペルミスがあった。
→○「作文を見直して,難しい単語のスペルが全て正しく書けたか確認しなさい」と言う
×間違えた単語の正しいスペルを教える
→○スペルミスに気づかなければ,間違えた単語を指摘する
×正しい答えを教えたり,単語のスペルを書いて見せたりする
⇒自分で正しい答えを発見させることが大切
私も授業中になるべく生徒さん自身で考えてもらうことを大切にしています。「この中に3つ間違いがあるけど,どこか分かる?」「この文章が少し分かりにくいかなと思うんだけど,どう変えたら分かりやすくなるかな?」など質問して,考えてもらいます。自分でじっくり考えた事柄については記憶に残りやすく,「次からこうしよう!」と次に生かせるようになります。
著者は「学習は難しくて当たり前だ」といいます。保護者の方が子どもの出来を気にして,焦って答えを教えてしまうのではなく,子ども自身でじっくりと学習に取り組めるよう見守りましょう。
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