『「超」勉強力』から学ぶ家庭教育①子どもの特性に応じて戦略的に人生を切り拓く

『「超」勉強力』(中野信子, 山口真由 著/プレジデント社)をもとに,効果的な家庭教育について考えます。

「超」勉強力

「超」勉強力

 

 子どもの特性に応じて戦略的に人生を切り拓く

著者の中野氏は,子どものころからエネルギーが他人より少なく,多動力がなかったため,戦略的に生きることを模索していたと言います。

〔……〕自分のエネルギーの低さがただ残念なのかというと、意外とそうともいえません。たとえば、効率よく動こうと心がけたことで、わたしはできるだけ考えてから行動する習慣が身につきました。また、過剰なエネルギーを頼りに、ひとつの方法や戦略にこだわり続けてしまうのを避けることもできた。

何かできない=悪いこととは限らない

「うちの子は面倒くさがり屋で,自分では動かないんです」「理系教科がまったくできないんです」など,子どものできないことが気になってしまうかもしれません。

面倒くさがり屋の子は,「どうやったらもっとラクできるだろう?」と効率的な方法を編み出すことができます。書き取りなど,単純作業は苦手かもしれませんが,「短時間で学習できないかな?」「こうしたらもっと覚えやすいかな?」と学習についてもどんどん工夫していくことができます。

また「他の人を巻き込んで手分けしよう!」と分業してチームワークを生み出すことが得意だったりします。これは仕事をしていく上でも大きな武器になると思います。クリエイティブな仕事や皆を引っ張っていく立場がきっと向いているでしょう。

理系教科が全くできない子は,ある程度苦手を補いつつ,文系教科に注力するのが良いかもしれません。高校で文系を選択すれば,それ以降理系教科をたくさん勉強する必要はありません。大学も,文系教科のみで受験できるところが多くあります。例えば,慶応義塾大学や早稲田大学も,学部によっては文系教科のみ,小論文などでの受験が可能です。

5教科をまんべんなく勉強するのではなく,大学受験を見据えて,早い段階から文系科目に絞って強化しておくことも,戦略的な進路設計と言えるでしょう。もちろん大学進学後にどのような仕事に就きたいか,その学部に進むことで自分の興味がある分野に就職することが可能かは,予め考えておくことが大事です。

ぜひ親が子どもの特性を把握して,その子に合った進路・人生設計を考えるサポートをしてもらえればと思います。

 

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