『「超」勉強力』(中野信子, 山口真由 著/プレジデント社)をもとに,効果的な家庭教育について考えます。
「義務としての学び」だけではこれからの社会を生き抜けない
前回の記事で「義務としての学び」と「よろこびとしての学び」についてご紹介しました。
「義務としての学び」をある程度の期間続けることは大切ですが,勉強は「やらされている」と感じてしまうと絶対にうまくいかないと中野氏は言います。
人から与えられたり,強制されたりすると,自分の気持ちとずれて嫌になってしまい,その先にある「よろこびとしての学び」に到達できなくなってしまいます。
そして「義務としての学び」を続け,学歴や資格を得ても,将来安泰とは言えない時代が到来しています。
(だからこそ,塾や親から言われて受験勉強に打ち込むのではなく)自分で自分を「よろこびとしての学び」に到達させる力こそが、これからの社会を「生き延びて」いくうえで問われているのではないでしょうか。
「義務としての学び」の比重を見直そう
学習が上手くいっていない家庭は,子どもに勉強を「やらせよう」としていると事業を通して感じます。
- 無理やり塾に通わせる
- 親がドリルを買い与えてやらせる
- 親が子どもにつきっきりで教える
- 勉強に興味を持たせようと親が子どもに必要以上に関わる
もちろん子どもに学習習慣をつけるために,親がある程度関わることは大切ですが,このような勉強を「やらせよう」とする親の態度を子どもが感じ取ってしまうと,勉強が嫌になってしまいます。
脳科学の観点では,人間はそもそも「学ばないこと」がストレスになる生き物だと中野氏は言います。前回記事でもご紹介した通り,「よろこびとしての学び」に子ども自身で到達できるように,次のような取り組みを行いましょう。
- 子どもの好きなこと・習い事をさせる。勉強だけでなく音楽もスポーツもアートも何事も「学び」です。子どもが好きなことにとことん取り組ませましょう。「義務としての学び」「よろこびとしての学び」の両方を経験できるでしょう。
- 子どもの好きな教科や教材にとことん取り組ませる。地図パズル,学習漫画,実験キット,学習アプリなど題材は何でも良いです。純粋に知る喜び,学んだり考えたりすることの楽しさを体感できるでしょう。
勉強や親がやらせたいことに比重を置き過ぎず, 子どもがやりたいことに取り組ませましょう。
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