「周りの子がやっているから」「親が取り組ませたいから」という理由で,子どもにとって難しすぎる教材に取り組ませる親は少なくありません。
「その子にとって難しすぎる」とはどの程度かというと,自力で取り組んだときに正答率が3割を切るくらいです。私はいつも,子ども一人で取り組んだときに6~7割程度正解できる教材をおすすめしていますが,それには理由があります。
難しすぎる教材に取り組ませることの弊害
①成長スピードが遅くなる
教材が難しすぎると,理解できる範囲が狭いため,成長スピードが遅くなります。説明を受けたり解説を見たりしても理解するのに時間がかかったり,内容を忘れてしまったりします。
教材のレベルを下げて簡単なものから取り組んだ方が,無理なく理解できるので,成長のスピードが速まります。
②勉強嫌いになる
勉強しても不正解ばかりだと,勉強するのが嫌になってしまいます。その子にとって難しすぎる教材だと,頑張ってもなかなかできるようにならず,成果が見えづらいので,「こんなに頑張っているのにできるようにならないんだ......」と無力感を抱きやすくなります。
このような毎日が続くと,勉強面だけでなく,生活面全般や,子どもの性格・考え方にも悪影響があるので,注意が必要です。
③わからないのが当たり前になる
教材が難しすぎると「わかった!」「できた!」という体験をすることができません。わかったのか・わからないのか曖昧なまま学習が進みます。
「わかった!」「できた!」という体験を積み重ねれば,理解が曖昧なときに「これはまだ完全に理解できていないな」「もう少し復習したほうがいいな」という感覚が芽生えますが,普段からわかったのか・わからないのか混沌とした状態で学習を進めていると,「勉強ってこういうものだ」と考え,疑問を持つことすらしません。
「この問題のここがわからないんです」などと自発的に質問できなかったり,「わかった?」と聞かれても「わかりました」と答えてしまったり(本人は本当にわかったと思い込んでしまっています),効果的に学習を進めることが難しくなります。
「お子様にとって難しすぎる教材に取り組ませていませんか」「お子様が一人で解いて6~7割くらい正解していますか」と質問すると,「はい」と答える保護者様が多いですが,実際にお子様を指導させていただくと,自力で1~2割しか解けないという事例もこれまでたくさん見てきました。
難しすぎる教材に取り組ませることは,お子様にとって悪影響しかありません。お子様の学習状況を客観的に把握し,まずはお子様のレベルに合った教材から学習をスタートするようにしましょう。
家庭学習・教育のコンサルティングを実施しております。お子様に合った教材や学習法のご提案,進路設計・志望校・習い事選び,声掛け・接し方等,家庭教育に関するアドバイスを行います。目標設定→計画立案・実行→改善→振り返りという学習PDCAサイクルをお子様自身で回せるよう,学習サポ―トも行っております。
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