子どもをやる気にする言葉がけ⑥~周囲と比較して否定するのを止める

周囲と比較して否定すると子どもは自信を失う

「お友達はもうこんな難しいのをやってるんだって!」「まだこのドリルをやってるのはあなただけじゃない!」――。子どもに競争心を持たせたくて,ついこのような言葉がけをしていないでしょうか。

周囲と比べて否定する言葉がけは,子どもの自信を喪失させます。「周りと比べて自分はダメなんだ」とマイナス思考になってしまったり,「自分なりにがんばっているのに!」「お母さん,お父さんは自分をきちんと見てくれていない!」と怒りを感じたり,心を閉ざしてしまうでしょう。

このような言葉がけを続けていると,嘘を付いて見栄を張るような,子どもの言動が目立ち始めます。分からないのに「分かるよ!」,できていないのに「できたよ!」と言ったり,悪い点数を隠して良い点数のものだけ見せたりするようになるかもしれません。子どもの中でコンプレックスが大きくなると,できない部分から目を逸らして,できる部分にしか着目しなくなります。そうなると,上手くいかない原因を分析して、やり方を改善したり,新しい目標に向かって努力したりすることが難しくなるでしょう。

子どもの成長を見守ることが大切

成長のスピードは子ども一人一人によって異なります。現時点で周囲と比較して遅れていても,時間が経つと追いついたり,追い越したりしている可能性も十分にあるのです。私の教室に通われている生徒さんで,成長がゆっくりの子がいましたが,小学校高学年になると,周囲と比較しても高いレベルにまで学力が伸びました。小学校三年生のころには,周囲と比較してかなり成長が遅く,保護者の方も焦っていましたが,「前よりこの部分はよくなったね!」「次はここもできるようになるといいね!」とその子自身の成長を認め,次の目標に向かえるような言葉がけを心がけてもらいました。そのおかげで生徒さんは,「ここはほめてもらえた!見守ってくれていて嬉しいな」「もうちょっとがんばってみよう!」「次はここもできるようになりたいな!」とコツコツと頑張り続けることができました。

成長した点を認め次の目標を伝えることでやる気を引き出す

ありのままの現実を受け止めて,物事に自発的に取り組んでもらうためには,周囲と比較して子どもを否定するのではなく,「前よりこの部分はよくなったね!」「ここもできるようになるといいね!」とよくなった点を認め,次の目標を伝えましょう。そうすれば,「お父さん,お母さんはきちんとがんばりを見ていてくれるんだ!」「まだお友達よりもできないけど,もうちょっとがんばってみようかな!」と子どものやる気を引き出すことができるはずです。

 

【関連記事】

blog.terak.jp

blog.terak.jp

blog.terak.jp