あなたは大丈夫!?子どもにご褒美をあげるとき注意してほしいこと

目標に向かって頑張らせたい気持ちから,「~ができたらゲームをやっていいよ」「~を買ってあげるよ」と子どもにご褒美をあげるお母さん,お父さんは多いでしょう。

そもそも,ご褒美作戦自体は良い教育法なのかという議論については,以下の記事をご覧ください。

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今回は,子どもにご褒美をあげるときに注意した方がよい点についてご紹介します。

ご褒美を先に与えてしまう

ご褒美がほしい一心で,「次は絶対がんばるから!」「早くしないとこのゲーム機売り切れちゃうよ……」と子どもが感情的に訴えかけてくる場合があるかもしれません

「先に買ってあげるから,その代わり必ず頑張るんだよ」とご褒美を先に与えると,そこで子どもは満足してしまい,目標に向かって努力することが難しくなります。

子どもがお願いしてきても,「目標をきちんと達成したらね」とご褒美を先に与えないようにしましょう。

基準が明確でない

ご褒美をあげる基準が明確でないと,効果は期待できないでしょう。例えば,「テストに向けて頑張る」という目標を立てた場合,親から見て遊んでばかりだったとしても,子どもが「頑張ったよ!」と言い張れば,ご褒美をもらえることになります。

ご褒美作戦をおこなう際は,「定期テストで~点取ったら」「次の小テストが満点だったら」「ドリルを1か月でここまで進めたら」など,○×で判別できる明確な基準を設けましょう。

何のために頑張るのかを思い出させる

ご褒美がなければ頑張れなかったり,「~を頑張るから代わりに~ちょうだい!」と駆け引きがエスカレートしてきたら要注意です。そもそも誰のために,何のために努力しているのかを子どもに考えてもらうことが大切です。「お母さんのために習い事をやってるの?」「勉強は将来の自分のためにやってるんだよ」「将来どうなりたいの?そのためにはこの目標に向かって努力した方がいいね」など,大きな目的を子どもに思い描かせるような声掛けをぜひ行いましょう。

 

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著書『子どものちゃんと「やり抜く力」は6歳までに決まる!』が発売されました

2018年1月11日に著書『子どものちゃんと「やり抜く力」は6歳までに決まる!』(多田淑恵著/PHP研究所)が発売されました。

www.php.co.jp

上記PHPファミリーさんのリンクより,「目次」「見本ページ」をご覧いただくことができます。上記リンクに加え,2月ごろより順次,生協さんチラシでも書籍情報が掲載され,そちらよりお買い求めいただくことも可能です。

叱り方やほめ方,習い事の選び方,子どもとの信頼関係の築き方などについて詳しく述べており,どのような年齢のお子様をお持ちの保護者様にも,参考にしていただける内容となっています。子育てが本格化する前に,効果的な家庭教育について知っておきたいというプレママ,プレパパにもおすすめです。一人でも多くの方にお手に取っていただければ,こんなに嬉しいことはありません。

最後になりましたが,今回書籍を執筆・出版できることになったのは,いつも支えてくださっている皆様のおかげです。心よりお礼申し上げます。

「最高の子育てベスト55」より学ぶ家庭教育②~テレビを長時間見てしまう子どもへの対処法

『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる 最高の子育てベスト55――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法』(トレーシー・カチロ―著/ダイヤモンド社)をもとに,効果的な家庭教育について考えます。

いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55―――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法

いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55―――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法

 

テレビを長時間見てはいけない理由

本書によると,米国小児科学会(AAP)は,2歳以上の子どもがテレビやその他の画面を見ることについて,1日2時間までに抑えることを推奨しているそうです。それはなぜでしょうか。

  • 「読書の時間」を奪う
  • 「遊び」を妨げる
  • 「集中」できる時間が短くなる

1日2時間以上テレビを観ている子どもは、集中力の持続時間が短いというデータがあります。

 テレビの視聴時間を減らすには?

「子どもがテレビばかりを見て,なかなか止められない」というお悩みは,私のもとにも多く寄せられます。どうすれば,テレビの視聴時間を減らすことができるのでしょうか。

本書では以下のような方法が紹介されています。これらの方法は,テレビだけでなく、アプリやゲームに熱中しすぎてしまう子どもにも有効です。

「チケット制」にする

週末に、「〇分」と細切れの時間を書いたチケットを渡します。子どもは、親が価値を置く行動(手伝い、よく遊ぶ、行儀よくする、など)ができたら「換金」できます。1枚ずつ使うか、まとめて使うかは、子どもに選ばせます。

「テレビを観る,ゲームをする以外でしたいこと」リストをつくる

1日の生活の優先順位をつけて、スクリーンを見る時間を決めます。「運動」「遊び」「睡眠」は子どもの脳の発達のためにはるかに重要なので、最優先にすべきです。

一日の最初に,やりたいことリストを親子で話し合いながらつくり,その日のタイムスケジュールや時間配分を決めるのも有効でしょう。

「親の視聴時間」を減らす

親自身が長時間テレビを見たり,ゲームをしたりしていないでしょうか。

子どもがどれほどの時間をスクリーン視聴に使うかを決める最も大きな要因は、親が決めたルールや、家族で一緒に見る時間ではなく、「親の視聴時間」です。親と同じだけ子どもにスクリーンを見せることに抵抗があるなら、あなた自身の習慣を変える努力をしましょう。

親が長時間テレビを観たり,ゲームをしたりする状況下で,子どもにいくら注意しても「お母さん,お父さんもやってるのに,不公平だ!」と反発を招いてしまいます。親自身もテレビを観たりゲームをしたりする時間を減らし,読書や勉強の時間を増やすなど,ぜひお手本となる行動を示すようにしましょう。

 

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「最高の子育てベスト55」より学ぶ家庭教育①~子どもを叱る前に親が頭を冷やす

『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる 最高の子育てベスト55――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法』(トレーシー・カチロ―著/ダイヤモンド社)をもとに,効果的な家庭教育について考えます。

いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55―――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法

いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55―――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法

 

親が頭にきている状態では教育効果はゼロ 

子どもを叱るとき,以下の記事で紹介している通り,確かにタイミングや声掛け方法も大切です。

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 しかし子どもを叱る前に、まずは親が冷静になることが最も重要です。親がカッカした状態では、どうしても頭ごなしに子どもを叱りつけてしまうからです。

『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる 最高の子育てベスト55――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法』でも,ームダウン(頭を冷やすこと)は,勢いにまかせた破壊的な行動を止めるポジティブな方法であるとして,その重要性が述べられています。

どうすれば「カームダウン」することができるのでしょうか。本書では様々な方法が紹介されていますが,最も取り組みやすく,私が保護者様にもおすすめしているのは以下の2つです。

1.無言になる

感情的に子どもを脅したりけなしたりせず,無言になりましょう。

子どもに「グズグズ言ったら無視するよ」と伝えてあるなら、グズグズを一切無視する。「後部座席でケンカを始めたら車を止める」と伝えてあるなら、無言で車を止める。

悪い行動がおさまったらすぐに(30秒待って本当におさまったのを確認してから)、コミュニケーションを再開しましょう。

2.場所を移動する

親が子どもを頭ごなしに叱りたくなってしまうのは,大量に「目をかけている」からであり,子どもの悪い行動に対して一時的に「注目するのをやめる」ことが効果的であると本書では述べられています。

親のほうからこう切り出しましょう。

「ママは、ちょっと頭を冷やしたいの。部屋に行って本を読んでくるわ」

「ちょっと頭を冷やそうか。ママは深呼吸するね」

「この話は、2人とも頭を冷やして落ち着いてからにしましょう」

子どもに対して腹が立ってしまったとき,ぜひ一度試してみてください。

【キッズプログラミング体験】イベントを開催します

2018年1月6日(土),7日(日)浜松こども館にて「キッズプログラミング体験 パソコンでゲームを作ってみよう!!」イベントを開催します。

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www.hcf.or.jp

大きな反響をいただき,予約開始日に満席となり,キャンセル待ちの状態となっています。たくさんのお申し込みをどうもありがとうございます。当日,皆様にお会いできますことを楽しみにしております。

『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる』から学ぶ家庭教育⑤~子どもと対等に付き合う

『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる。』(河村京子 著/大和出版)をもとに,将来活躍できる子どもに育てるための効果的な声かけや接し方を学びます。

わが子が東大・京大に現役合格!  子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる。

わが子が東大・京大に現役合格! 子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる。

 

 「上から目線」で命令するのを止める

私の教室には様々な生徒さんが通ってくれていますが,ありがたいことに,どの生徒さんも授業を楽しみにしていて,本音で話してくれたり,ありのままの姿を見せてくれます。

「うちの子は家では何も話さないのに,先生の教室では色々話しているようで,子どもの本音を引き出してくださり,とてもありがたいです」

「どうしてどの生徒さんとも信頼関係を築けるのですか?」

「何か気を付けていることはありますか」

保護者の方より,このようなお声をいいただくことが多いです。

私が生徒さんと接する際に気を付けていることは,「対等に付き合う」という1点のみです。どんなときも,「早くしなさい」「こうじゃないの!?」など,上から目線の声かけはしないよう心がけています。

親子関係のお悩みについてお伺いしていると,上から目線の声かけが日常茶飯事になっていて,子どもが心を閉ざしていたり,親子喧嘩に発展したりというケースが多いものです。

「宿題を早くやりなさい!」

「夕食の前には手を洗うんじゃなかったの!?」

子どもをコントロールしたい一心で,このような声かけをしてしまっていないでしょうか。

大人として扱うことが,子どもの「考える力」を高める

子どもと対等に付き合うことで,信頼関係を築けるだけでなく,子どもの「考える力」も高めることができます。『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる』では,次のように述べられています。

たとえば、子どもが夕ご飯を残したとします。

「好き嫌いをしないで全部食べなさい!」

と言ってしまうのは簡単です。

でも、それでは子どもは反抗するか、萎縮するかしかありません。

もし、子どもに「考える力」をつけてほしいなら、大人として扱ってあげることが大切です。

[……]

「どうして今日は残したのかな?」

「何か嫌いなものが入っていた?」

「どうやったら全部食べられるかな?」

このように穏やかに質問をしてあげたら、子どもは今日のご飯について考えるでしょう。

[……]子どもに「考える力」をつけてほしいなら、「大人としてつき合う」ことが何よりも大切なのです。

日常生活の中で,すべての声かけをこのように丁寧に行うのは難しいかもしれません。しかし,「子どもと対等につき合う」「大人として扱う」ということを,少しでも心に留めていただければ,子どもへの接し方が変わってくるはずです。ぜひ意識してみてください。

『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる』から学ぶ家庭教育④~感情的な叱り方をやめる

『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる。』(河村京子 著/大和出版)をもとに,将来活躍できる子どもに育てるための効果的な声かけや接し方を学びます。

わが子が東大・京大に現役合格!  子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる。

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子どもが自分で考え行動できるような叱り方をしよう

子どもが何かできないとき,「ダメ!」「どうしてできないの!?」など,つい感情的に怒ってしまう親が多いのではないでしょうか。

好きで失敗したり,親に怒られようとしたりする子どもはいません。それなのに,感情的な言葉をかけられると,問題が解決しないばかりか,子どもは次第に心を閉ざしてしまうでしょう。

親が次から叱らなくてもいいように,子どもが自分で考え行動できるような叱り方を心がけましょう。『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる』では,「感情の言葉」を「理性の言葉」へと言い換える方法が紹介されています。

「感情の言葉」→「理性の言葉」へ言い換えよう

  • 「早くしなさい!」→「いつするの?」

「いつするの?」

そうすると、子どもは段取りを考え始めます。

そして、いつするかを自分で決めるようになるでしょう。

親子で話し合って,一日の流れを予め決めておくのも効果的です。

  • 「どうしてできないの!」→「この問題が難しかったね。次は、きっとできるよ」

「どこがよくなかったかな?」「次はこうすればいいね!」と具体的な原因と対策を子どもに話しましょう。そうすれば「自分はできない子だ」と落ち込むことなく,「次からこうしよう!」と勉強にも前向きに取り組むことができるでしょう。

  • 「ダメ!」→「壁に落書きをしてはダメよ」

何がダメかを具体的に子どもに伝えましょう。「壁ではなく画用紙に絵を描こうか!」など,やってよいことをセットで話すのも効果的です。

  • 「ちゃんとしなさい!」→「お人形は棚の上に座らせてあげて、積木は積木の箱に入れて、クレヨンは2番目の引き出しの手前の箱に入れてね」

「ちゃんと」という言葉では,子どもが何をすればいいか伝わりません。「どうすればいいか」を具体的に話すようにしましょう。メモに書いて分かるようにしておけば,毎回親が声かけする必要がなく,子どもが自分で気づいて行動するようになるので,おすすめです。

日々の声かけを変えることで,子どもが自分で考え行動できるように導きましょう。