よくないことだと思いつつ,つい子どもをガミガミ叱ってしまうとお悩みのお母さん,お父さんは多いことでしょう。『子どもをのばすおかあさんがやっているアンガーマネジメント』(石井実夏 著/彩図社)をもとに,親の感情コントロール方法や,子どもを伸ばす家庭教育について探っていきましょう。
「これぐらいできてほしい」という期待値を下げる
お母さんが怒ってしまう理由の一つとして,「これぐらいできてほしい」という期待値を子どもが満たせていないから,ということが本書では紹介されています。親の思い通りにいかないと,イライラして,つい子どもにガミガミ言ってしまうかもしれません。怒る頻度を減らすためには,期待値を下げることが有効です。
怒る頻度を下げるためには、理想は理想として置いておき、期待値を下げることです。つまり「大目に見ることを増やす」のです。[……]
[……]「ここまでいったら、さすがに限界」というNGラインを自分のなかに持っておいて、そこまでは大目に見るということ。
理想通りでなかったら即!NG!というのではなく、許容ゾーンを広げて、「想定内」を大きくしてドーンと構え、大目に見る余裕を持つわけです。
長期的な視点を持って期待値をコントロールする
しかし,いざ期待値を下げるとなると,「ここまでしかできていないけど本当に大丈夫?」「周りの子はもっとできているのに……」と不安に感じるお母さん,お父さんも多いことでしょう。
焦らないためには,「今はここまでで大丈夫だけど,~ヵ月後までにはこうなっていてほしい」「1年後にはさらにこうなっていてほしい」と長期的に考えて,期待値をコントロールすることが大切です。
例えば片付けについて,私の教室でも次のような段階を設けて,生徒さんの成長を見守るようにしています。
1ヵ月後まで:①床に散らばっているブロックを拾って机の上に置いて帰る
3ヵ月後まで:①+②自分がつくったロボットを崩してパーツを机の上に置いて帰る
6ヵ月後まで:①+②+③分解したパーツを正しい場所に収納してから帰る
最初から③を求めてしまうと,子どもにとってはまだ難しく,できないことが多いので,大人もイライラしてしまいます。①→②→③と段階を経ることで,子ども自身でできることが少しずつ増えていき,大人も「できるようになったね!」と子どもの成長を認めることができます。そして予め期限を設けておくことで,「このままいくと,半年後までにはできるようになっているはずだから!」と焦らなくて済みます。
怒る頻度を減らすために,まずは期待値を下げ,子どもの成長に応じて徐々に引き上げていくようにしましょう。
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