子どもをやる気にする言葉がけ⑩~叱らなくて済む方法を考える

子どもとよい関係を築き,やる気を引き出すためには,親が叱る回数をなるべく減らすことが大切です。親が日常的に声かけしていると,「またガミガミ言ってる」「うるさいな」と子どもは感じるようになります。肝心な場面でも,子どもがアドバイスを聞いてくれなくなる可能性もあります。

子どもが悪いことをしているから叱る,声かけをするということは,確かに必要です。しかし,同じことを伝える場合でも,言葉の選び方や声かけのタイミング,伝え方によって,子どもに与える影響は変わります。せっかくなら,子ども自身で「自分が悪かったな」「次からこうしよう!」と気づいて反省したり,次に生かしたりできるように導けると,理想的ではないでしょうか。

周囲が口うるさく声かけしなくても,子ども自身で気づき,考えて行動できるように導くには,どうすればいいのでしょうか。具体例をもとに考えてみましょう。

 

(例)子どもがゲームばかりしていて勉強しない

→「勉強しなさい!」とガミガミ言わないためには?

・「ゲームは一日一時間まで」「勉強が終わってからゲームをする」など,ゲームに関するルールを家族内で決めておく。

・ゲーム終了時刻にアラームをかけておく。

 

(例)子どもがグズグズして、毎朝の支度を時間通りにできない

→「早くしなさい!」とガミガミ言わないためには?

・「8時30分に幼稚園のバスが来るからね。8時20分にお家を出よう!」と見通しをあらかじめ伝えておく。

・バスに乗り遅れるとどうなるかを想像してもらう。時間を守ることの重要性について時間を取って話す。

・一日のスケジュールや時間の過ごし方について理解してもらう。「7時30分に起きる」「その後,歯磨きをする」「朝ごはんは何時ごろまでかかるかな?」など,スケジュールについて,子どもと話し合いながら確認する。

 

「ゲームをやめなさい!」「それはやっちゃダメ!」「勉強しなさい!」「早くしなさい!」と何かを禁止したり,次に取るべき行動を指示したりするのではなく,子どもとじっくり話し合って,問題を根本から解決することが大切です。

問題が根本から解決されていないと,子どもは同じ問題行動を繰り返してしまいます。そうすると,親がまた叱らなければいけません。叱る回数が増えると,子どもにもストレスがかかり,また問題行動を起こしやすくなります。

このような悪循環に陥らないためにも,「どうすれば叱らなくて済むかな?」「なぜ問題行動を起こしてしまうのかな?」「どうすれば問題行動が収まるかな?」と原因や対策について考え,問題を根本から解決することが大切なのです。

問題の解決策はたくさんあります。一つの方法で上手くいかないときは,ぜひ別の方法を試してみてください。問題行動が引き起こされる原因もさまざまです。たまたまその時期に子どもにストレスがかかっていた,生活リズムが乱れていた,お友だちと揉め事があったなど,一つ一つの出来事は小さいことでも,いくつもの要素が重なり合って、問題行動が引き起こされているかもしれません。

「なんでこんなことするの!」「~しなさい!」「やめなさい!」「本当にダメな子ね」と叱る代わりに,ぜひ叱らなくていい方法を考えましょう。子どもを責めるのではなく,次から叱らなくても済むように,問題行動を止められるような声かけや仕組みを考えることが大切です。

 

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