『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』(アーリック・ボーザー著/英治出版)をもとに,効果的な学習法について探ります。

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ
- 作者: アーリック・ボーザー,月谷真紀
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2018/07/19
- メディア: 単行本
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スマートフォンやタブレットとの関わり方
「子どもがダラダラとスマホばかり見ている」「タブレットが近くにあるだけで,学習の際,子どもの集中力が散漫になっている気がする」というお悩みが多く聞かれます。今の時代,スマートフォンやタブレットの使用を完全に禁止するというのは難しいと思います。どうすればIT機器と上手く関わっていくことができるのでしょうか。
『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』(アーリック・ボーザー著/英治出版)では,学習におけるテクノロジーの良い面と悪い面について紹介されています。
テクノロジーの良い面
インターネットを使って分からないことをすぐに調べることができ,SNSを通じて意見交換も活発になりました。
「現代のツールのおかげで、これまで見えなかったアイデア、画像、人、ニュース同士のつながりに気づきやすくなった」〔……〕
また,コンピュータシュミレーションは自分の知識を実際に使ってみるのに役立ちます。例えば学習アプリでは,クイズが出題され,答えを入力すると正解・不正解がすぐに分かります。頭の中の知識を実際に使い,理解度を確認することができます。
テクノロジーの悪い面
マイナス面について,IT機器が視界に入っているだけで,気が散ってしまい,集中力が低下すること分かっています。
〔……〕インターネットに接続された端末があると、概して持続的な注意力が育たない。インターネットへのアクセスを許可している授業では、学生の成績は低くなりがちだ。携帯電話は「あるだけで」集中力を減退させることがわかっている。つまりテーブルにおいたiPhoneが視界に入っているだけで、タスクへの集中力が低下する。
また,学習のITツールは,不必要で集中力をそぐ派手な機能を満載したものになりやすいと書かれています。概念やスキルはシンプルな形で取り組んだほうが成果が高いことが,多数の実験で実証されているそうです。学習アプリで,ゲームの機能が付いていると,知識・スキルの習得よりも,おまけのゲームに夢中になってしまう子どもが多いものです。
IT機器を使うときに気を付けたいこと
以上を踏まえて,スマートフォンやタブレットを使うときは次のことに気を付けましょう。
- 勉強のときはIT機器を近くに置かない
先ほど述べた通り,机の上に携帯電話などがあるだけで,集中力が低下してしまうので,学習中はIT機器を目につかない場所に置いておきましょう。
学習中にダラダラとIT機器を使ってしまわないように,「予定していた学習が終わればIT機器を使ってもよい」「1日1時間までは使ってもよい」など,家庭の中で話し合ってルールを決めておくのも良いでしょう。
- 学習に使用するアプリは大人が選ぶ
学習アプリを使用する際には,余分な遊びの機能が少ない,なるべくシンプルなものを選びましょう。子ども自身で選ぶのは難しいので,保護者の方が複数の学習アプリを比較して,一番シンプルで知識・内容が身に付きやすそうなものを選んでください。
IT機器と上手く関わり,ぜひ学習にも活用していただければと思います。
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