『小学校教師だからわかる 子どもの学力が驚くほど上がる 本物の家庭教育』(杉渕鐵良 著/すばる舎)をもとに,効果的な家庭教育について探ります。
欲張って多くの学習に取り組ませない
親が焦って子どもに色々な学習をさせてしまうと,勉強嫌いの子どもはますます勉強が嫌になってしまいます。「周りの子と比べて遅れているから」「次の学年に上がるまでに何とかできるようになってほしい」という理由で,子どものためを思って取り組ませている学習が,逆効果になりかねません。「たくさんプリントがあってやる気が起こらない」「また間違えた……もうやりたくない」と,子どものやる気が失われてしまいます。
『小学校教師だからわかる 子どもの学力が驚くほど上がる 本物の家庭教育』(杉渕鐵良 著/すばる舎)では次のように書かれています。
1日にプリント1枚でいいのです。1枚でも大変なら、5問だけでもかまいません。極端な場合、1問だけでもいいのです。毎日くり返せば、1ヵ月後には大きな成果になります。家庭学習が習慣になったら、だんだん増やしていけばいいだけです。
成果をすぐに求めない
子どもに学習習慣を付け,テストの得点を上げるなど,目に見えた成果を出すには,多くの時間がかかります。小学校高学年や中学生の子どもなら,これまでの学習内容の取りこぼしを補うのにも,時間がかかってしまいます。
これまであまり勉強した経験がない子どもは,勉強の仕方が分からなかったり,ストレスを感じたりして,上手くいかないことも出てくるでしょう。そんなとき,親が「やっぱりうちの子はダメなんだ」と諦めないことが大切です。半年,1年,2年と家庭学習を続けていくうちに,(一時的に状況が悪化するようなことがあっても)全体的に見て良い兆しが見え始めているはずです。
「12歳までの習慣を変えるには,やっぱり時間がかかるんだな」「半年で一人で勉強できるようになるはずないよね」「でも前はプリント1枚しかできなかったのが,最近はドリルを4種類も進められているな」と子どもの成長した点に目を向けながら,ぜひ諦めずにサポートを続けていただきたいです。