『小学校教師だからわかる 子どもの学力が驚くほど上がる 本物の家庭教育』(杉渕鐵良 著/すばる舎)をもとに,効果的な家庭教育について探ります。
先取り学習は必要?
「学校の授業だけでは心配です」「子どもに先取り学習をさせた方がいいんでしょうか」「周りの子が予習をしているので焦ってしまいます」という相談をよく受けます。先取り学習はやった方がよいのでしょうか。
「授業の取りこぼしが無いこと」が最優先
私はいつも「予習より復習を優先させてください」と答えています。学校の授業内容を理解し切れないまま,どんどん先の単元に進んでしまい置いて行かれることは,最も避けたい事態です。
カラーテストで,ほぼ満点を取れているでしょうか。数ヵ月前に習ったことでも,内容をしっかり覚えていて,問題をすらすら解けるでしょうか。もしそうでないならば,予習よりもぜひ復習に取り組んでください。
効果的な先取り学習の仕方
先取り学習をする場合も,先の単元の練習問題を解かせたり,難しいドリルをやったりするのではなく,子どもに興味を持たせるような取り組みを行いましょう。
『小学校教師だからわかる 子どもの学力が驚くほど上がる 本物の家庭教育』(杉渕鐵良 著/すばる舎)では,次のように書かれています。
家庭での学習といっても、計算のやり方を家庭で先取りして教えてください、という意味ではありません。
教科書の内容を親が一から教える必要はありません。それは学校の役割です。[……]新しく習う単元に興味を持てるように、その子に合わせた動機付けをしてあげることが目的です。
家での予習をがんばりすぎて、家庭学習の時間が増える、そして学校の授業がつまらなくなる、では本末転倒です。
子どもに興味を持たせる取り組みとして,本書では次のような例が紹介されています。
- 教科書を親子で先取りして読む
- 日本地図をリビングに貼っておく
- 旅行に行った際,その土地の特産品を知る
- 一緒に星座を見る
- リモコンや時計の電池が切れた時に,子どもに交換を頼み,乾電池に触れさせる
- 料理を取り分けるときに,倍・分数の考え方を教える
今はインターネットで様々な動画が見られ,アプリで楽しみながら学習を進めることもできます。親が良さそうなものを選んで,子どもと一緒に取り組んでみるもの良いかもしれません。子どもが学校での授業内容に興味を持てるよう,ぜひ楽しい先取り学習を行いましょう。