『「非認知能力」の育て方 心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育』(ボーク重子/小学館)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

「非認知能力」の育て方~心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育~
- 作者:ボーク重子
- 発売日: 2018/11/30
- メディア: Kindle版
「~しなさい」を止めて子どもの意見を聞く
親が子どもに命令して言うことを聞かせるのは簡単かもしれません。しかし,子どもの自己肯定感や主体性を育てるために,親が子どもに無理やり何かをさせようとしてはいけないと筆者は言います。
子どもは大人から意見を求められると,それだけで自分の存在意義を感じ,自己肯定感につながります。加えて,これからの時代は自分の頭で考えられる子どもを育てることが大切です。
親の言うことを聞かせるだけでは、自分の考えを持たない人間、指示待ち人間、もしかしたらロボットやAIに代替される人間になってしまうかもしれません。
誰かに「こうしなさい」と言われても、それが違うと思うなら、「それより、もっといい方法を考えたから、僕はこうする」と意見を言う。そして、どんな方法でも最後までやり遂げる。私はそんな子どもを育てたいと思ったのです。
「~しなさい」という声かけを続けると,自分で考えられない子どもになる
私の教室に来てくれた生徒さんで,中学生まで親に「~しなさい」と言われ続けて育った子がいました。身の回りのことも勉強面も「次は~しなさい」と常にお母さんが教えてくれるので,自分で考える習慣がありませんでした。
「分からない問題があったら言ってね」と伝えても,自分で質問することができません。どの問題が分からないか,どこまで分かるのか・どこから分からないかを自分で考えたことが無かったのです。いつもお母さんが先回りして「この問題が分からなかったんでしょ」「これはこうやって解くのよ」と教えてくれていたからです。
その子は勉強面で伸び悩んでいましたが,自分の好きなことや将来の夢も分からないようでした。高校生,大学生になっても,このような状態が続くと心配です。自分で考えられない指示待ち人間になってしまうでしょう。
子どもを信じることが大切
子どもに指示を出してしまう保護者の方は,我が子を思うあまり,「うちの子はまだできない。できなかったらかわいそう」「だから指示を出してあげないと」と考えてしまうようです。しかし,親が指示を出し続けていると,子どもはいつまでたっても自分でできるようになりません。最初はできなくても,必ずできるようになると信じて,手を離していくことが大切です。ぜひ子どもを信じて見守りましょう。