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『ビリギャル』から学ぶ自律教育②「子供の感情を利用しない」

子供に言うことを聞かせたいがあまり,子供を脅して恐怖心に訴えかける,不安をあおる,嘘を付いて怒りの感情を引き出す大人がいます。このような接し方は子供にどのような影響をもたらすのでしょうか。『ビリギャル』(『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』/坪田信貴著)で紹介されていたエピソードをもとに考えていきましょう。

子供は大人の汚い手に気づく

さやかちゃん(ビリギャル)が通っていた中学校では,先生が生徒を脅して校則違反の生徒を見つけ出そうとしていました。

さやかちゃんは,一緒に校則違反をしていた仲間の名前を言ったら無期停学で済ませてやる,言わなければ退学だと,脅されていました。

さやかちゃんは「そういうやり方が,吐きそうなほどイヤだった」と言います。夜中になるまで問い詰められても,仲間の名前は絶対に言わないぞ,とがんばっていたそうです。「誰それはお前のことを吐いたぞ,いいのか?お前は売られたんだぞ?」とウソをついて子どもを騙そうとする。

内心,「人を教える側の人間が,こんな汚いやり口をしていいのか」と思っていたそうです。「あの人達は,学生達の友情を壊して,何がしたいのか」と。「停学にさせたらボーナスでももらえるのかな」と。

これでは「校則違反は悪いことだな。これからは止めよう」と思うどころか,ますます先生に反発し,非行に走ってしまいます。

子供の感情を利用することは意味が無い

『ビリギャル』著者であり,さやかちゃんの塾講師を担当していた坪田先生は,次のように述べています。

生徒をしかったり,脅したり,悲しい思いをさせたりして,その感情を利用して何かを乗り越えさせようとする意味は無いわけなんです。そういう指導をしますと,勉強=不快,先生=不快と脳が認識するようになり,無意識のうちに,その不快な対象が発する情報を,脳が拒絶するようになります

これは家庭教育にも当てはまります。

例えば子供の成績があまりにも悪く,親が「そんな成績じゃ,次の学年に上がれないね」と言ったとします。子供はとても悲しい思いをします。勉強を頑張っていても,成績が悪い場合は,本当に落ち込んでしまうでしょう。勉強を頑張っていない場合でも,このような言葉を投げかけられて「よし!次は頑張ろう!」という気にはならないでしょう。

子供は「お母さん(お父さん)は嫌なことばかり言う……もう話なんて聞きたくない!」「自分はどうせ勉強ができない子なんだ……」という,いじけた感情を持ち始めます。次第に,大人=嫌なことを言う=不快,勉強=いつも出来なくて嫌なことを言われる=不快という図式が出来上がります。親に限らず大人のアドバイスを聞き入れない子供,勉強嫌いの子供になってしまいます。

「悪い子」「勉強が出来ない子」になりたい子供なんていない

誰でも心の底では,周囲から褒められて認められたいはずです。勉強が出来るようになりたいと思っているはずです。それなのに悪いことをしてしまう,勉強が出来ないのです。このことを考えると,子供を脅したり,悲しい思いをさせたり,感情を利用することは全く意味がないことだと分かります。

子供の感情に寄り添いサポートする

校則違反など悪いことをしてしまった,成績が悪かったという事実はすでに起こってしまったことなので,どうしようもありません。子供を責めたり脅したりしても事実は変わりません

過去ではなく,未来に目を向ける

ただ,次に同じようなことが起こらないようにすることはできます。そのためには,なぜ今回このような事態になったか原因を分析し,今後どうしていくか対策を立てることです。

原因分析,対策立案は子供一人で行うのが難しいです。だからこそ,同じ事態(=校則違反をする,悪い成績を取るなど)を繰り返してしまうのです。(決して「悪い子になってやろう」と思って,同じ間違いを繰り返すのではありません。)「なぜ校則違反をしてしまったのだろう」「なぜ成績が悪かったんだろう」「次からどうすればよいかな」と一緒に考え,子供をサポートしてください。「辛かったね」「頑張ったね」と子供の気持ちに寄り添いながら,状況の改善を見守ってください。

すると「お母さん(お父さん)に相談すれば大丈夫」という安心感が生まれ,親子間の信頼関係を築くことができます。大人のアドバイスを素直に聞き入れる,伸びしろの大きい子供になります。原因を分析する,対策を立案する思考法が習慣化することで,将来的には自分で物事を改善していくことのできる大人になります。

 家庭教育で子供を傷つけていないか,何でも話し合える関係にあるかどうか,ぜひ一度振り返ってもらえればと思います。

 

 

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