ビリギャル母(ああちゃん)の著書『ダメ親と呼ばれても学年ビリ3人の子を信じてどん底家族を再生させた母の話』を取り上げます。
ダメ親と呼ばれても学年ビリの3人の子を信じてどん底家族を再生させた母の話
- 作者: ああちゃん,さやか(ビリギャル)
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2015/02/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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以前,さやかちゃん(ビリギャル)がグレてしまった原因,学年ビリから慶応合格レベルまで飛躍的に学力を伸ばすことができた原因は,ともに「家庭教育」にあることを述べました(詳細は以下のリンクをご覧ください)。
今回以降,ああちゃん(ビリギャル母)の「家庭教育」の良い面に焦点を当て,ぜひ一度保護者様にお考えいただきたいポイントを紹介していきます。今回のテーマは「いつでも子供の味方でいること」です。
「いつでも子供の味方でいること」が子供を目標に向かわせる
「大人の尺度で良い子/悪い子と勝手に決めつけて,頭ごなしに叱らないこと」「問題(に見える)行動を起こしても,絶対に怒ったりはせず,見捨てたりもせず,子どもの話をゆっくりと時間をかけて聞き,子どもに向き合うこと」が大切である,とああちゃんは述べています。
「また散らかしてばっかり!ダメな子ね!」「本当に勉強が出来ない子ね!悪い子ね!」「そんな成績じゃ次の学年に上がれないよ」……このような言葉を投げかけていれば,子供との信頼関係は築けません。
「ダメな子」「悪い子」になりたい子供などいません。何か理由があって,大人から見て「問題(に見える)行動」を起こしてしまっているのです。「なんで出来ないかな?」「難しかったかな?」「こうしてみるのはどう?」と冷静な話し合いを実施しましょう。いくら子供が小さくても,体罰や頭ごなしの命令で無理やり押さえつけるのではなく,「言葉できちんと理解させる」「諭す」ことが重要です。
「何でも話していいんだ」「怒られないんだ」「いつでも味方でいてくれるんだ」という安心感・自己肯定感が,自ら目標を設定する・目標達成に向け努力するエネルギーを生み出します。「~しなさい!」と命令したり叱ったりするのではなく,まずは話をじっくりと聞く姿勢こそが,子供の「自発的に考え行動する」「目標を掲げ達成に向け努力する」力を高めます。
「子供の味方でいること=子供の言いなりになること」ではない
注意していただきたいのは「いつでも子供の味方でいること=子供の言いなりになること」ではないということです。本書で以下のような例が紹介されています。
もし子どもが「このおもちゃが欲しい」と駄々をこねても,ちゃんと穏やかに優しく説明し,「買いません」と言ったら,絶対に買わない。その際に,笑顔を忘れず,子供が納得するのを待つ――
「このおもちゃが欲しい」と子供が駄々をこねたときに,「子供が言ったことだから」といつもおもちゃを買い与えているとどうなるでしょうか。子供は何でも自分の思い通りになるのが当たり前だと感じ,自分の思い通りにいかないことに対しては取り組まないようになります。困難にぶち当たった時も,踏ん張りがきかず,すぐに投げ出してしまう性格になります。それでは大きな目標を達成することはできません。
物事をすぐに投げ出す性格に子供を育ててしまう教育を施すことは,本当の意味で「子供の味方」ではありません。社会に出てから自分の意思で人生を切り開けず,子供自身が困ってしまうからです。単純に「子供の言いなり」にはならず,長期的に見て良い方向に子供を導くことこそが,「子供の味方でいること」なのではないでしょうか。
もう一つ例を紹介します。さやかちゃん(ビリギャル)が「私,(小学)2年生からは,学校に行かない」と言い出したときのことです。ああちゃんは「そう,わかったよ」と言いながらも,さやかちゃんからじっくり話を聞き,またさやかちゃんの様子を観察し,担任の先生にも相談しました。さやかちゃんがいじめに巻き込まれていたこと,担任の先生の指導方針に賛同できないことが分かったため,違う小学校に通うという選択をしたそうです。
さやかちゃんが「学校に行かない」と言ったとき,「何言ってるの!?学校は何があっても行きなさい!」と頭ごなしに叱っていればどうなっていたでしょうか。さやかちゃんは「この人に相談しても無駄だ」と思うようになり,本当に不登校になったり,親に隠れていじめをしたり,性格が歪んでしまっていたかもしれません。素直に人の言うことを聞き入れ,スポンジのように物事を吸収できる子にはならず,学年ビリから慶応合格を果たす奇跡のストーリーも生まれなかったかもしれません。
一方で「そう,わかったよ」とだけ言い,親が現状把握をせず「子供が言ったことだから」と言いなりになるのも,良い対応ではありません。ああちゃんのように,子供からじっくり話を聞くことはもちろん,先生など大人の第三者に状況を確認し,正しく現状を把握することが大切です。もし「学校に行きたくない」というのが単純に子供の甘えなら,きちんと諭して正しい方向に導く必要があります。そうでなければ,少しでも嫌なことがあると逃げ出す性格になり,将来,社会に出ることも難しくなってしまいまうからです。
親が実施すべきことは「正確な状況把握」と「冷静なアドバイス」
最後にまとめとして,「自発的に考え行動できる」「自ら目標を掲げ達成できる」子供を育てるために,親が実施すべきことをまとめてみます。
- 子供からじっくりと話を聞く,子供の様子を観察する
- 必要に応じて第三者の意見も参考にし,正確な状況把握をする
- 長期的に見て良い方向に子供を導く(「甘え」の場合は厳正に対処する)
- 体罰を加えたり怒りを露わにしたりせず,冷静に諭す
家庭教育の中で上記事項を実施できているでしょうか。ぜひ振り返っていただければと思います。
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