テストの点数に一喜一憂している,子供にテストで良い点数を取らせたい一心で,親の言う通りに学習させている家庭は少なくありません。そもそも,テストの点数に一喜一憂する価値はあるのでしょうか。親の言う通りに勉強して良い点数を取ることに,どれくらい価値があるのでしょうか。今回は,テストで良い点数を取ることの価値について考えてみたいと思います。
【復習】勉強することの意味・理由
以前,勉強することの意味・理由について(1)物事を多面的に見る力,深い考察力を養うため,(2)目標を設定し,達成できるようになるためと述べました(詳細は以下の記事を参照してください)。
テストで良い点数を取ること自体に大きな価値はない
結論から言うと,上記タイトルの通りです。理由を上述「勉強することの意味・理由」に紐づけて述べていきます。
(1)物事を多面的に見る力,深い考察力は,一回のテストの得点で測れないことがあります。したがって,テストの点数に一喜一憂することは馬鹿げています。(もちろん,物事を多面的に見る力,深い考察力が身に付けば,それに比例して学力も向上しますが,常にテストの結果に反映されるわけではありませんし,安定的に良い点数が取れるようになるまで時間もかかります。)
逆に,内容を理解せず知識を丸暗記する,受験テクニックを駆使すれば,手っ取り早くテストで良い点数を取れるかもしれません。しかし,このような方法で学習を続けても,後に何も残りません。各教科の考え方や物の見方を習得できず,長期的に見て勉強した意味がないのです。
(2)親に言われた通り勉強して,テストで良い点数を取れたとしても意味がありません。自分で目標を設定し,達成する力が身に付かず,勉強だけできる人,周りの指示がなければ何もできない人になってしまいます。高い学歴を得られたとしても,将来,社会で活躍することができません。
テストの得点よりも「何をどのように学ぶか」が重要
(1)物事を多面的に見る力,深い考察力,(2)目標を設定し,達成する力を身に付けた結果,テストで良い点数を取れたのであれば,そこには大きな価値があります。しかし,知識を丸暗記した,人から言われた通りに勉強をした結果,テストで良い点数を取れたのであれば,そこにあまり価値はありません。テストで良い点数を取ること自体に価値はなく,テストを通じて何をどのように学んだかが重要なのです。
親が知っておくべきこと・注意すべきこと
テストですぐに良い点数が取れないからと言って,焦って子供を責めたり,親の学習法を押し付けたりしないでください。各教科の考え方やものの見方が理解できていても,テストの出題形式によっては良い点数を取れないこともあります。また失敗しながら試行錯誤を繰り返し,子供自身が学んでいく過程に意味があります。
【例外】親が介入すべきポイント
例えば,子供に学習を任せた後,(1)子供が意味を考えずに丸暗記している,受験テクニックに頼ろうとしている場合,(2)同じ失敗を何度も繰り返している,失敗から学んでいない場合は,アドバイスする必要があります。その他,そもそも子供が勉強を自分から全く行わない,勉強のやり方が分からず困っている場合なども,声掛けが必要です。
しかし原則として,親は子供の学習に対してできるだけ口を挟まず,見守るようにしてください。子供の様子をよく観察し,本当に必要な時だけヒントを与え,サポートすることが肝心です。子供が自分のペースで学習内容を深く理解する,目標設定・達成のコツを身に付けることができれば,一時的なテストの高得点ではなく,将来社会で役立つ多くの「学び」を勉強から得ることができるのです。
あなたのお子様はテスト勉強からどのくらい「学び」を得られているでしょうか?
お子様の学習状況・理解度や思考の癖を分析し,今後の対策・ご家庭で実践できる取り組み等をご提案します。お申し込み・お問い合わせは下記リンクよりどうぞ。
関連記事リンク一覧