変化が大きいこれからの社会では,単に与えられた課題がこなせたり,勉強ができたりするだけでは,食べていくことができません。したがって子供が多くの時間を過ごす家庭で,思考力や主体性を高める教育を実施していくことが大切です。効果的な家庭教育・学習について,『アクティブ・ラーニングが絶対成功する!小・中学校の家庭教育アイデアブック』をもとに考察を深めます。
アクティブ・ラーニングが絶対成功する! 小・中学校の家庭学習アイデアブック
- 作者: 田中博之
- 出版社/メーカー: 明治図書出版
- 発売日: 2017/01/20
テスト結果よりも大切なこと
子どもに良い成績を取らせようと必死になったり,テスト結果に一喜一憂する親が多いと感じます。子どもに付きっきりで勉強を教えたり,山を張ったりする親もいますが,テストで良い点数を取ることにどれだけ意味があるのでしょうか。
なぜテスト勉強をするのか
テスト勉強をしたり,テストを受けたりすることの目的について考えてみましょう。
なぜテスト勉強をしたり,テストを受けたりするのかというと,自分が努力してきたことに対して,どれくらい成果が出るか確認するため,目標に対して,現在の自分がどれくらいの位置にいるか把握するためだと私は考えます。
自身で目標を決め,その達成に向けて取り組み,実現する力は,社会に出てから特に求められます。したがって,通過点である小学生や中学生の間は,ぜひテストを目標達成力を測ったり,高めたりするために活用してほしいと思います。親が過剰にサポートして,テストで良い点数を取れたとしても,将来の子どものためにはなりません。
テストの振り返りを実施しよう
テスト結果に一喜一憂するだけで,振り返りをきちんと実施できていないご家庭をよく目にします。『アクティブ・ラーニングが絶対成功する!小・中学校の家庭教育アイデアブック』にて,神奈川県横須賀市立北下浦中学校の吉岡達郎氏は,次のように述べています。
[……]私が強く感じたことは,これだけ事前学習は頑張るのに,テスト後の事後学習にはあまり目が向けられていない現状である。返却された答案用紙の点数のみにこだわるのではなく,答案用紙そのものの中にこそ,目的意識を持って勉強してきた振り返りができる材料があるのではないか。
具体的な振り返り方法については,本書で詳しく紹介されていますが,一番大切なことは,「間違えていた原因を分析する」ということです。
なぜ間違えたのか?
[例①]ケアレスミス→見直しは実施していたか?方法は適切か?
[例②]時間不足→時間がかかりすぎた箇所はどこか?理解は十分だったか?
[例③]分からなかった→類似問題は学習していたか?基本問題か応用問題か?
なぜ間違えていたかを考え,次に生かすことが,目標達成力の向上に繋がります。ぜひご家庭で「ここはなぜ間違えたの?」「次からどうすればいいと思う?」など,子どもに考えさせる声掛けを実施しましょう。
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