『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』(伊藤敏雄著/主婦の友社)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。
答えを写しても学習効果はない
『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』では,宿題や問題集の答えを写すことは意味がないと書かれています。答えを写してしまう子どもは多いですが,次のような理由から学習効果は期待できないと私も思います。
- 自分がどこまで分かっていて,どこから分からないかが曖昧なままになる
- 重点的に復習すべきポイントが分からない
- テスト勉強のとき,間違えた問題のみ解き直しするなど,効果的な学習ができない
- 弱点が克服できず,同じ問題を繰り返し間違えてしまう
なぜ答えを写してしまうのか
本書では,子どもが答えを写してしまう理由について触れています。
- 答えを写すことが悪いことだと思っていないから
- ○がそろっていると勉強ができた感じがして,見栄えがいいから
- 間違い=恥ずかしいこと,不愉快なことだから
私の経験上,次のようなことが要因になっていることも多いです。
- その子にとっては宿題や問題集が難しすぎて,やる気が起きない
- 学習量が多すぎて「とりあえずこなさないと」と焦っている
- 間違えると親に怒られると思っている
- 劣等感があり「できない自分」を認めたくない
学習内容・レベル,親の言動等によって,答えを写さないといけない状況に追い込まれている子どもも多いと感じます。
「答えを写すのは意味がないよ」「間違えた問題をできるようにしていくことが大事だからね」「テストじゃなくて,今間違いが見つかって良かったじゃない!」とお子様の意識を変える声かけを実施いただくと同時に,「なぜうちの子は答えを写してしまうんだろう?」とぜひ原因も探っていただければと思います。