『「非認知能力」の育て方 心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育』(ボーク重子/小学館)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。
ルールによって社会性と自制心を養う
子どもの自己肯定感を高め,自信を持たせるために,自由に発想させたり,意見を言わせたりすることは大切です。しかし筆者によると,それはなんでも子どもの思う通りにさせることではありません。
[なんでも子どもの思う通りにさせるという]無法地帯で育つのは、自分勝手で他者への思いやりに欠けた衝動的な子どもです。社会性や自制心、責任感を高めなければ、子どもはただのわがままで「迷惑な、出る杭」になってしまいます。ルールを理解して守ることができる社会性を身に付けた「愛される、出る杭」になることが重要です。
ルールを子どもと一緒に決め,ルールを皆で守ることができたら,自信も育つと筆者は述べています。
効果的なルールの作り方
ぜひご家庭でルールを作って子どもに守ってもらいましょう。子どもにルールを守らせるコツとして,本書では次の3つが紹介されています。
①たくさんのルールをつくりすぎないこと
禁止されたり、叱られたりすることばかりでは、自己肯定感も低くなってしまうからです。何より、規則がたくさんあると、子どもももうんざりして逆効果になってしまいます。
「子どもがルールを守ってくれない」という相談をよく受けますが,その大半はルールをつくりすぎてしまっていることが原因だと感じます。
どうしても守ってほしい最優先のルールを1つか2つに絞り,まずはそれを子ども自身で守れることを目標にしましょう。
②ルールの内容が年齢相応であること
大人から見ると簡単なことでも,子どもにとっては難しすぎることがあります。
例えば「おもちゃを分別して片付ける」ことを家庭のルールにしているのに,子どもがいつまでたっても守れないという相談を受けました。年長さんの子どもにとっては「おもちゃを分別して片付ける」ことが難しすぎたようです。「決まった1つのボックスにその日出したおもちゃをすべて入れる」というルールに変更したところ,子どもはルールを守れるようになりました。
子どもがルールを守れないときは,ルールが難しすぎないかを考えてみてください。
③ルールを決める話し合いに子どもも参加させること
子ども自身に「自分で決めた」という自覚があると、ルールを守ろうとする気持ちも自然に生まれてきます。4歳くらいになれば、こうした話にも参加できると思います。
親が決めたルールを押し付けるのではなく,子どもも一緒に考えることが大切です。
- どんなルールがあれば家族みんなが気持ちよく過ごせるかな?
- 誰が,いつ,どんなことをすればいいかな?
- そのルールはなぜ必要だったかな?(守れなかったときに思い出してもらう)
ぜひ上記について家族全員で話し合いましょう。このような取り組みを通して,子どもの考える力も自然と高まるはずです。