『「非認知能力」の育て方 心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育』(ボーク重子/小学館)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

「非認知能力」の育て方~心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育~
- 作者:ボーク重子
- 発売日: 2018/11/30
- メディア: Kindle版
論理的な対話で子どもの自制心を伸ばす
子どもが何かを要求してきたとき,「ダメ!」と怒ったり,無視したりするのではなく,論理的に理由を説明しましょう。
[例]
- 忙しくて一緒に遊べないとき:「今,お掃除をしているから,少し待ってね。ママがお掃除をしないと埃でまたくしゃみが出ちゃうからね」
- 階段で遊んではいけないことを伝えるとき:「階段から落ちたら痛い思いをするかもしれない。もしかしたら,身体が動かなくなってしまうかもしれない。そうなったらママは悲しいよ」
3歳児までの乳幼児は別として、それ以降の時期は子どもの要求に対して、論理的理由つきの「ちょっと待って」で自制心を伸ばすことができるのです。
何かの行動について、「だめ」と禁止しなければいけないときにも、子どもにきちんとのその理由を説明すると、相互理解につながります。
自制心を伸ばすと優秀な子どもに育つ
自制心は,子どもの成績や健康管理に大きな影響を及ぼすという研究結果があります。
【実験内容】
子どもの好物であるマシュマロを目の前に置き,大人が戻ってくるまで我慢できたらもう一つあげる約束をする。実際に子どもがマシュマロを食べるのを我慢できるかを調べる。
【実験結果】
約3分の1の子どもは15分間我慢して2つ目のマシュマロをもらうことができたが,残りの3分の2の子どもは我慢できずにマシュマロを食べてしまった。
→我慢できた3分の1の子どもを追跡調査すると,SAT(大学進学適性試験)の点数が高く,学業面で著しく優秀であり,肥満指数が低いなど健康管理にも優れていた。
自制心は,生まれつき備わった力というより,幼い時期から長い時間をかけて備わっていくものだと筆者は言います。ぜひ普段から親が丁寧に言葉かけをすることで,子どもの自制心を伸ばしましょう。