子どもが困っているときはサポートしよう
「過保護になりたくないから,何でも子どもに任せています」「どこまで子どもをサポートすればいいか分かりません」という保護者の方も多いと思います。確かに過保護は良くありませんが,子どもをサポートすること自体は悪いことではありません。
子どもが本当に困っているときや悩んでいるときに,「自分で考えなさい」と言ってサポートしないと,子どもは突き放された気分になります。「なぜ上手く行かないんだろう?」「こういうときはどうすればいいんだろう?」と子どもは分からないままなので,考える力も身に付きません。結局困りごとが解決せずに,大きな問題に発展することもあります。
私の教室に中学2年生から通い始めた生徒さんで,勉強がとても苦手な子がいました。小学校中学年の勉強からつまずいており,理解できていない内容が山積みになっていました。その子はレベルの高い小学校に通っており,小学校ではプレゼンテーションやディベートの授業が多く,基礎学習は各家庭に委ねられていました。小学生の頃から勉強が苦手で,学校のテストはいつも点数が低かったそうです。お父さんやお母さんに「勉強ができるようにならない」「どうすればいいか分からない」と言い続けましたが,毎回「自分で考えなさい」と言われるので,悩みを話すことも止めたそうです。
勉強のやり方が分からないまま,中学2年生になってしまったため,リカバリーがとても大変でした。保護者の方は「自分で問題を解決してほしかったから,全て子どもに任せてきた」とおっしゃっていました。テストの点数も小学生の頃から把握しておらず,子どもがそこまで深く悩んでいることも知らなかったようです。
子どもをサポートするときに気を付けたいこと
必要な場面で子どもをサポートすることはとても大切です。子どもをサポートするときは次のことに気を付けましょう。
①子どもを信じてまずは任せてみる
子ども自身でできるのに,親が手伝うのは良くありません。まずは何でも子どもを信じて任せてみましょう。子ども一人でできなくて困っている場合のみ,サポートするようにしましょう。
②やってあげるのではなく,やり方を伝える
親が子どもの代わりにやってあげるのではなく,「こうするのはどうかな」「こういうやり方もあるよ」とやり方を伝えるようにしましょう。「ここを調べてみるといいんじゃない?」「学校の先生に聞いてみたら?」等のアドバイスも良いでしょう。
そして,その後は子どもに任せてください。子ども自身で考えて,行動することが大切です。
③上手く行ったか最後まで見守る
アドバイスしても子どもが実行しなかったり,問題が解決しないままになっていることも多々あります。「この前の話,どうなった?」「あれやってみた?」と子どもに質問したり,子どもの様子を注意して見たり,困りごとが解決したかどうか,最後まで見守るようにしましょう。
大人の視点を伝えることで「そういうやり方もあるんだ」「確かにそんな考え方もあるな」と子どもの視野が広がります。実際に困りごとが解決できれば,子どもの自信にも繋がります。子どもの問題解決力を高めるために,子どもが困っているときはぜひサポートしましょう。
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