大学時代から塾講師のアルバイトをしてきて,現在は教育事業を立ち上げ,様々な先生や生徒さんを見ていますが,「この指導は良くないな」と感じることがあります。
それは「先生が自分の知識を教えることを目的にしている」「教科書通りの授業を行うことをゴールにしている」教え方です。
教科書通りの授業=生徒のための授業ではない!
何日も前から熱心に教科書を予習し,教科書通りの授業をする先生,自分の持っている知識を誇らしげに生徒に語る先生――驚いたことに意外と多いのですが,彼らには,生徒さんの反応を見て,臨機応変に指導するという視点が欠けています。
なぜ生徒さんは授業を受けに来ているのでしょうか。一言でいえば,今わからないことをわかるようにするためだと思います。
授業を通して「わかる」「できる」体験をして,勉強の楽しさに気づく→さらに「こうすればもっとできるようになるかもしれない!」と勉強のやり方を自分で工夫できるようになってほしいなと個人的には考えています。
一人一人の生徒に寄り添うことが大事
生徒さん一人一人が行き詰まっている点を把握し,解決できるようにサポートすることは,先生が担う最も重要な役割の一つです。
教科書通りの授業をするよりも,生徒さんに事前に教科書を読んできてもらい,わからないところを質問してもらったり,試しに問題を解いてもらって,できていないところを解説するだけで十分です。
先生の持っている知識を熱く語るよりも,「この子は何に興味があるんだろう?」と生徒さんの様子を観察して,生徒さん一人一人に合わせて話す内容・指導方法を変えるほうが効果的です。
集団指導の場合は難しいかもしれませんが,生徒さんと個別に話せる時間があれば,なるべく悩み相談に乗れると良いと思います。私も集団指導塾で指導していたときは,休み時間に生徒さんと雑談したり,勉強の相談に(時には勉強以外の相談にも)乗ったり,なるべく良いきっかけを与えられるように心掛けていました。
教科書通りの授業をしたり,先生の知識を誇らしげに語ったり,一方的な授業では,その塾に通う意味があまりありません。最近はスタディサプリやYouTubeで授業動画が見られることもあり,他の教材・サービスに取って代わられてしまいます。
指導者として,生徒さん一人一人に寄り添い,その子のお悩みを一緒に解決しながら,成長を共に喜び合える存在でありたいなと思っています。
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