「子どもが知らない言葉が出てきたとき,紙の辞書を引かせた方がいいですか」「電子辞書でもいいでしょうか」「親が説明したほうが効果的ですか」というご質問をいただくことがあります。それぞれにメリット・デメリットがあるので,状況やお子様の様子に応じて,使い分けるのが良いと思います。
【紙の辞書】
メリット:
①調べた言葉に付箋を貼ったり,マーカーで色を付けたり,記録できる。
→学習を見える化できるので,達成感を味わえる。
②辞書に載っている他の単語にも自然と目が行く。
→調べようとしていた単語以外の知らない単語を知るきっかけになる。
③「実際に手を動かして紙の辞書を引く」という体験を伴っているので,記憶に残りやすい。
→高い学習効果が期待できる。
デメリット:
①調べるのに時間がかかる。
→他の学習を圧迫してしまう可能性がある。
→面倒くさいから辞書を引くのをためらってしまう。わからない言葉が出てきても放置してしまう可能性がある。
【電子辞書/ Webでの検索】
メリット:
①短時間で調べることができる。
→「わからない言葉があれば辞書を引く」という習慣が付きやすい。
デメリット:
①紙の辞書よりも記憶に残りづらい。
【親が説明する】
メリット:
①具体的にどのような場面・ニュアンスでその言葉が使われるか,イメージが湧きやすい。
デメリット:
①親が上手く説明できないことがある。
②親の時間が取られてしまう。
③子ども自身で調べる習慣が付かない。親に頼るようになる可能性がある。
このようにそれぞれメリット・デメリットがあるので,その時の状況や子どもの様子に応じて,調べ方を変えたり,色々な手段を組み合わせたりしましょう。
- 時間があるときは紙の辞書を引く。
- 急いでいるときは電子辞書やWebで検索する。
- 「この言葉ってこういう使い方で合ってるかな?」と子どもが質問してきたら,「この言葉はこういう文脈で使うから,表現をこう変えたほうが自然かな?」などと親がアドバイスする。
- 親子で一緒に辞書を引いて(紙でも電子辞書でもWeb検索でも可),言葉の意味や例文を確認して話し合う。
「面倒くさいから,わからない単語があってもそのまま放置する」というのが一番良くありません。「紙の辞書を引きなさい!」と言って子ども任せにするのではなく,親子で一緒に辞書を引いたり,言葉の意味・使われ方について話したり,子どもが言葉に興味を持てるように導きましょう!
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