学習効果を最大化するには?インプットとアウトプットのバランスが鍵

成績が上がらないからと言って,塾の授業数を増やすご家庭があります。しかし実際のところ,授業数を増やしても,成績が上がらないことがほとんどです。

なぜかというと,成績を上げるためにはアウトプット(=自分で問題を解くこと)が大切だからです。

塾の授業数を増やすと,解説を聞くことができるので,確かにインプットは増えるかもしれません。しかし,アウトプットについては,自分で意識して時間を確保する必要があります。塾の授業数を増やしても,通常アウトプットの時間は増えません

学習効果が高いインプットとアウトプットの割合は?

インプットとアウトプットがそれぞれどれくらいの割合のとき,学習効果が高まるのでしょうか。

コロンビア大学で,覚えるべき事柄をインプットする時間とアウトプットする時間を計り,実験者たちがどれくらいの割合のときに一番成績が高いのかを計測する実験が行われました。結果,インプットの割合が3割,アウトプットの割合が7割のときに,最も記憶に定着することがわかったそうです。

例えば,こんなことがありました。現在中学3年生のAくんは,成績がずっと横ばいで,中学2年生の秋ごろから焦り始め,当時通っていた集団指導塾の授業数を大幅に増やしました。しかし,1年経っても成績はほとんど変わりませんでした

私の教室に通い始め,私が指導を担当したところ,圧倒的なアウトプット不足であることが見て取れました。

  • 英作文で細かな部分を間違えてしまう
    • 解説を聞けば理解できるが,自分で文法規則を適用したり,前置詞・副詞を使用したりする際にミスしてしまう
  • 数学の問題を解くのに時間がかかりすぎる
  • 答えを見れば理解できるが,自分で解法を思いつくことが難しい

これらはアウトプットが不足しているときに見られる傾向です。自分で実際に問題を解き,問題に慣れたり,コツを掴んだりすることで改善されます。

Aくんは理解力が非常に高く,塾の授業を聞いて理解できるけれども,問題演習の量が足りず,テストで点数を取ることができなかったのです。

塾の授業数を増やしても,聞いて終わり,すなわちインプットのみだと実力は高まりません。自分で問題を解く,間違えたところは自力でできるように解き直すといったアウトプットをして初めて実力が付きます

成績が伸びないとき,インプットのみで終わっていないか,アウトプットができているか,インプットとアウトプットのどちらが足りていないかをぜひ振り返ってみてください。

 

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