勉強ができるようになるためには,上手くいかないときに,「何が問題か」を見極めることが大切です。問題が分かれば,原因を探って対策を立て,次に生かすことができます。
一方,問題が不明瞭であったり,勘違いしたりしていると,対策を立てて現状を改善していくことが難しくなってしまいます。
次のような例を考えてみましょう。
- Aさんは毎日コツコツ学習に取り組むよう言われていた
- 授業で行った小テストのやり直しが宿題になった
- なるべく早く取り組み,次回授業までにメールで提出することを先生と約束した
- 授業前日に宿題を受け取っていない先生からメールがきた
- 「明日は授業ですが,小テストのやり直しは取り組めていますか?約束通り,メールで宿題を送ってください」という内容だった
- そのメールを受け取り,Aさんは小テストの答案用紙をなくしてしまったことに気づいた
今回の出来事について,問題はどこにあるでしょうか。
問題を見極めることの重要性
Aさんは「小テストの答案用紙をなくしてしまったこと」を問題だと捉え,「テラック(弊社教室)専用のファイルをつくる」という対策を立てました。確かに,「小テストの答案用紙をなくしてしまったこと」も問題ですが,それ以前に「先生からメールを受け取って初めて宿題を思い出したこと」「授業前日まで宿題に取り組めていなかったこと」自体が問題だと考えられます。
実際にAさんと話し合いながら,授業中に作成したメモです。
原因を考えてみたところ,「小テストのやり直しという宿題をすっかり忘れていた」「答案用紙をなくしてしまった」のは,宿題が出た際,「授業終了間際でバタバタしていた」「教室を出たあとの用事で頭がいっぱいになっていた」からだということがわかりました。「覚えておけるだろう」と宿題内容をメモしなかったり,プリントをとりあえず目の前にあるファイルに挟んだりしたことがよくなかったと,Aさん自身で振り返ることができました。
「テラック(弊社教室)専用のファイルをつくる」だけでなく,「宿題を忘れないようにメモしておく」「目につくようにノートの表紙に貼っておく」という対策も実行してみようということになりました。今回の場合,「テラック(弊社教室)専用のファイルをつくる」という対策だけでは不十分で,今後も同じ失敗(=宿題を忘れること)を繰り返してしまっていたかもしれません。
このように「問題は何か」を正確に把握して,原因を探り,今後の対策を立てることが大切です。このような問題解決力を身に付けることができれば,勉強ができるようになるだけでなく,将来きっと社会で活躍できるでしょう。
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