成績が上がらないとき,焦って「あれもこれも......」と色々な教科や教材に手を出していませんか。
すでにある程度の成績が取れており,飲み込みが早く,器用にこなせる子は良いかもしれません。しかし,成績が平均点くらい~平均点以下の場合,どの教科・範囲も中途半端で身に付かないままになってしまい,頑張ったのに成績が全然上がらなかった......という結果になりがちです。
まずは一つの教科・範囲に絞って完璧にできるようにしよう
最近,私の教室(テラック)に,中学1年生の生徒さんが入会されました。これまで他の塾に通われていましたが,一向に成績が上がらなかったそうで,どの教科のテストも50点満点中10点取れるか取れないか......という成績でした。
テラック入会からまだ1か月しか経っていないのに,なんと数学テストの得点が10点ほど上がりました!
保護者の方に,教科・範囲を広げ過ぎると成果が出にくいこと,まずは教科・範囲を一つに絞って確実に点数を取れるようにすることをお伝えし,ご理解いただいた上で,この1か月,数学の計算問題のみに絞って特訓を行いました。
「次のテストまでに計算問題は解けるようにしよう!」「次のテストでは,計算問題を全て正解することを目標にしよう!」と生徒さんに話しました。
生徒さんも「それならできそう!」とやる気が出てきたようで,1か月間,頑張って勉強に取り組んでくださいました。間違えた問題は授業中に何度も解き直したり,宿題に出したりしました。宿題にもきちんと取り組んでくださったので,授業で学習した内容が定着し,テスト本番でも成果が出たようです。
1問だけ惜しいミスがありましたが,他の計算問題は全て正解しており,前回のテストから10点ほど得点が上がりました。生徒さんもとても嬉しかったようで,ますますやる気が出たようでした。
「授業でやったことは着実にできるようになっているね!すごい!」
「家でもきちんと勉強してくれているからだね」
「ミスが惜しかったね。次のテストまで1か月あるから,次は図形の範囲の特訓をして,基本的な問題を解けるようにしよう」
「そうすれば,次のテストではまた10点くらい上がりそうだね!」
生徒さんにこのように話すと,「確かにそれなら達成できそう!」「今回も目標を達成できたし,次も頑張る!」と前向きにとらえてくださったようです。
以前は勉強に対してネガティブなことしか言わなかったのに,最近は「わかる問題が増えてきて,勉強が楽しい!」「次の目標に向かって頑張る!」と保護者の方に話すようになったり,勉強に向かう姿勢が変わってきたとのことでした。
学習内容を数学の計算問題のみに絞って,確実に目標を達成できるように導いたのが,功を奏したのだと思います。「数学も,英語も,国語も......」と欲張っていたら,どれも中途半端になってしまい,きっと結果が伴わなかったのでしょう。
小さな目標を達成していけば,少しずつ自信も付き,やる気も湧いてきて,大きな目標も達成できるようになります。現状を把握して,子どもに合った目標を立てたり,学習内容を取捨選択したりすることが大切です。
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