高卒・大卒のちがいを子どもにどう説明する?【進路相談・設計】

最近,中学3年生の生徒さんの保護者の方から,進路についてご相談を受けました。「子どもが高校を卒業したら働こうとしているけれど,親としては大学まで行った方が良いと思う」「でも,子どもにどう伝えて良いかわからない」とのことでした。

高卒・大卒のどちらが良いかは人によってちがう

その生徒さんは,苦手な教科があったり,理解するのに時間がかかったり,勉強自体はそこまで得意ではありません。

しかし,学ぶこと自体が好きで,楽しんで考えたり,新しい問題にチャレンジしたり,知的好奇心が旺盛です。またプログラミングが非常に得意で,自分で作品アイデアを考え,プログラミングして素晴らしい作品を作り上げることができます。

生徒さんが「大学に行ったら,また勉強しないといけないんでしょ?」とおっしゃっていたので,「高校までの勉強と,大学での勉強は違うよ」「大学では,自分の好きなことをとことん勉強できるんだよ」と話しました。「プログラミングを4年間勉強してもいいんだよ!最高じゃない?」と話すと,目を輝かせていました。

学ぶこと自体が嫌いな子,研究して深掘りしたい分野が特にない子は,大学での勉強が苦痛になってしまうと思います。その場合は,高卒で働いた方が良いかもしれません。

高卒・大卒の現実を伝える

高卒・大卒の現実的なちがいについても,ありのまま生徒さんにお話ししました。

  • 高卒だと就職できない企業,取得できない資格がある。
  • 大卒の方が就職・仕事の幅が広がる。
  • 高卒だと転職するのが難しい。
  • 大卒と高卒で担当できる仕事がちがったり,昇進スピードに差が出たりする場合がある。
  • 高卒の方が働き始めるのは早いが,実は大卒の方が生涯年収が高い。

職業によっては(職人や現場密着型の仕事など),このような違いが一切なく,むしろ高卒で早くから働いた方が有利な場合もあるかもしれません。

このようなことを伝えると,中学3年生の生徒さんは,「自分は大卒の方が合っていると思う」という考えに至ったようです。

「高卒・大卒について考えたこともなかったし,知らないことばかりだった」「何だか大人になったな~って感じ!」と嬉しそうにおっしゃっていました。

大学では一人暮らしをしないといけないものと思い込み,金銭面の心配もされていたので,「この近くだと静岡大学や静岡文化芸術大学があるよ」「家からバスで通えるから,一人暮らししなくていいんじゃない?」と伝えると,ホッとした表情をされていました。

高卒・大卒のちがいを知らずに,進路を選んでしまうと,大人になったときに後悔してしまう可能性があります。ぜひ現実的な話をした上で,どのような進路を歩むかを子ども自身に決めてもらいましょう!

 

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