「悪いことをしている!」と子どもの行動を決めつけていませんか

親子向けの講座や保護者向けセミナーを開催していると,親の声掛けが子どもに影響を与えていると感じることが多くあります。

子どもが心を閉ざしてしまったり,思春期に反抗期がひどくなってしまったりする原因として,「親が子どもの行動を決めつけている」ことが挙げられます。

例えば,こんなことがありました。中学一年生の男の子が,お友達と楽しくじゃれ合っていました。会うのが久しぶりだったようで,お互いに突っ込みを入れ合ったり,和気あいあいとした雰囲気で歓談していました。

すると,それまで別の場所に居たその子の親が突然戻ってきて,「こら!いじめない!」と声掛けしました。一瞬にして空気が悪くなり,男の子はしゅんとしてしまいました。お友達も気まずそうな表情になり,楽しい雰囲気が一変してしまいました。

「いじめる」と表現することは,親が子どもの行動を「悪いこと」と決めつけているようなものです。じゃれ合っている一瞬の場面を見て,「いじめている」と判断するのではなく,子どもたちの関係性や雰囲気,前後のやり取りなどを汲み取ることが大切です。

本当にお友達が苦しそうな様子だったり,子どもがお友達に暴力をふるっていたりする場合は叱ってやめさせることも必要です。しかし,楽しそうな雰囲気でじゃれ合っているのであれば,「久しぶりの再会で嬉しそうだね!」「~くん,苦しくない?大丈夫?」などと現状を把握するための声掛けをしましょう。「お友達が苦しそうにしていたら止めてね」などと,先に声掛けしておくのも良いでしょう。

一瞬の場面を切り取り,子どもの行動を悪いことだと決めつけ,皆の前で注意すると,子どもは深く傷つきます。「こら!」「悪い子!」「いじめない!」などと一言で済ますのではなく,子どもの気持ちやその場の雰囲気を考慮した上で,声掛けの仕方を工夫しましょう

 

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多田 淑恵 lit.link(リットリンク)

 

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