「うちの子は理解がゆっくりで困っています」「あの子は飲み込みが早くて羨ましい」というご相談を保護者の方からいただくことがあります。
飲み込みが早いのは,確かにアドバンテージではありますが,ご家庭での声掛けや接し方によってはマイナスに働いてしまうこともあります。
- すぐにできるのが当たり前なので努力しない
- 難しいことにぶつかるとすぐに諦める
- 何でもそこそこのところまで行くが,やり遂げることができない
- 最初は良くても,どんどん失速して最後は周りの子に追い抜かれる
飲み込みが早い子は,このような状況に陥ることが少なくありません。
反対に飲み込みが遅い子は,次のような傾向があります。
- なかなかできるようにならないので,努力するのが当たり前
- 壁にぶつかることに慣れているので打たれ強い
- 何でも諦めずに最後までやり抜くことができる
- 飲み込みが早い子が脱落していく中,継続して取り組むことで最終的に追い越せる
子どもの個性を生かすも殺すも家庭教育次第
「飲み込みが早い」「飲み込みが遅い」という子どもの特性自体は変えることができませんが,その特性を生かすも殺すも家庭教育次第なのです。
飲み込みが早い子の場合,どうしても努力する姿勢や粘り強さが身に付きにくいので,家庭教育で補う必要があります。例えば,次のようなことに気を付けましょう。
①親がやらせたいことではなく,子どもがやりたいことをやらせる
何でも器用にこなせるからと言って,親がやらせたいことばかりに取り組ませるのは良くありません。モチベーションが伴いにくく,「もういいや」と途中で嫌になりやすいからです。子ども自身がやりたいことであれば,「できるようになりたい!」という気持ちから,上手く行かないときも粘り強く取り組むことができます。
②できないときに責めたり叱ったりしない
飲み込みが早い子の場合,何かできないことがあると,親としては「何でできなかったの!?」と言いたくなるかもしれません。
いつもできることが当たり前で「できない状態」に慣れていない上に,親からこのような声掛けをされると,子どもは大きなショックを受けます。難しいことを避け,自分ができることにしか取り組まなくなり,成長が止まってしまいます。
「できる・できない」で子どもを評価するのではなく,「物事に継続的に取り組む中で,できないことが出てくるのは当たり前」「できないことをできるようにする過程を楽しもう!」と声掛けするようにしましょう。
③能力ではなく努力を褒める
「もうこんなにできるなんて才能があるね!」「すごく頭が良いね!」など,子どもの能力を褒めるのはやめましょう。
飲み込みが早い子に対して,このような声掛けをしたくなる気持ちは分かります。しかし,このような声掛けをしていると,子どもは何かできないことがあったとき,その原因が「努力不足」ではなく「自分の能力不足」にあると考えてしまいます。
実際にこのような声掛けをしてしまっている保護者の方を多く見てきましたが,子どもは「才能がないと思われたくない」「頭が悪いと思われたくない」と考え,苦手なことや難しいことにチャレンジできなくなってしまっていました。
「よく頑張ったね!」と子どもの努力を褒め,何かできないことがあったときも,「やり方を変えてみるのはどう?」「今度はこうしてみたら上手く行くんじゃない?」と努力の仕方を変えるように促しましょう。
上記①~③は,飲み込みが早い子に対して保護者の方が行ってしまいがちな声掛け・接し方ですが,子どもの飲み込みのスピードに関係なく,家庭教育で気を付けていただきたいことです。子どもの個性を伸ばす家庭教育をぜひ心がけましょう。
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