子どもの考える力を引き出す!親子の会話のコツと具体的な声かけ方法

『「非認知能力」の育て方 心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育』(ボーク重子/小学館)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

 親子の会話が子どもの考える力を引き出すことは,前回の記事でご紹介した通りです。

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今回は親子の会話のコツと具体的な声かけ方法についてご紹介します。

1.何気ない質問で子どもとたくさんコミュニケーションを取る

(例)「学校でどんなことがあったの?」「今日はどんな1日だった?」「今日のテレビを観て,どう思った?」「楽しかったことはどんなこと?」

何気ない質問を通して,子どもに「自分は愛されている,必要とされている」という確信を持たせ,自信と自己肯定感を高めることができると本書では書かれています。

2.違う角度から物事を見る,解決策を考えさせる

(例)「自分だったらどうすると思う?」「どんな方法があると思う?」

このような声かけを行うことで,子どもが自分で考え,答えを見つける癖を付けることができ,自然と問題解決力が身に付きます

3.イエス・ノーでは答えられないオープンクエスチョンをする

親が常に「こうしなさい」と教えていると,自分で答えを見つける力を育てることができません。親は辛抱強く質問を重ねながら,子どもが答えを見つけられるよう導く手伝いをすることが大事だと筆者は言います。

子どもに質問して答えが返ってきたら,まず「なるほどね」と認め,次に「どうしてそう思うの?」と理由を聞いて対話を広げていきましょう。本書では,質問を使った対話の具体例が紹介されていますので,ご興味がある方はぜひご覧ください。

ご家庭でたくさん質問をして,子ども自身で考える習慣を付けましょう。

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子どもの考える力を引き出す対話の仕方

『「非認知能力」の育て方 心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育』(ボーク重子/小学館)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

親子の対話が子どもの将来を左右する

 3歳までに子どもが聞いていた言葉の量が,9歳時点の言語レベルや学校のテストと相関するという研究結果があるそうです。子どもがまだ小さくて言葉を理解していないだろうという時期から,頻繁に話しかけ,声をかけながら一緒に遊びましょう

家庭での効果的な声かけや対話の仕方

では,家庭での声かけや対話はどのように行えばいいのでしょうか。本書では,次のようなコツが紹介されています。

  • 3歳ごろまでの小さな子どもの場合は,考える力が足りないのではなく言葉を知らないために話せないこともあるので,質問するよりも,丁寧に教えてあげる。そうすることで,語彙が増え,言葉の能力が発達していく。
  • さらに大きくなると,子どもがたくさんの質問を繰り出すようになる時期があるが,子どもの問いにすぐに答えを出したり,無視するのではなく,「どうしてだと思う?」と親が問い返すことで,子どもに考える力をつけさせる。
  • 親が正解を教えてあげるだけでは,子どもは正解以外の豊かな発想をしなくなってしまうかもしれない。
  • 子どもの回答が間違っていても,すぐに否定するのではなく,その子が自分で考えたことを認め、なぜそう思ったかなどを詳しく聞いてみる
  • 親が常に「子どもには,正しい答えを教えてあげなければいけない」と考えるのではなく,子どもとの対話のチャンスと捉える。

「親がちゃんと答えないと!」と身構えてしまう方が多いですが,「あなたはどう思う?」「そう考えたんだ!面白いね」というように,子どもの考えを引き出すイメージで親子の対話を楽しみましょう

 

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子どもがルールを守らないときの対処法

『「非認知能力」の育て方 心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育』(ボーク重子/小学館)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

子どもの自制心を高めるために,家庭でルールを決めておくことは大切です。ルールの決め方・気を付けたいポイントについては,過去記事でご紹介しました。

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子どもがルールを守らないときの対処法

 子どもがルールを守らないとき,どうすればよいのでしょうか。本書では次のように書かれています。

①親が代わりにやってあげない

子どもがルールを守らないとき,代わりに親がやってあげることは簡単かもしれません。しかしそれでは自分の役割や責任に子どもは気づくことができません。筆者は自分の子どもがルールを守らないとき,自分の役割を果たさなければ皆が迷惑するということをわかってほしかったため,子どもの代わりにやってあげることはなかったそうです。

②やらない理由を聞く

子どもがやろうとしないとき,叱るのではなく,理由をじっくり聞くことが大切です。そしてその理由が正当な場合は,特例として見逃しても構わないと筆者は言います。しかし「やりたくない」は正当な理由にならないため,③の対処法を実践しましょう。

③対話して自分の責任や役割を思い出させる

子どもが「やりたくない」と言ったとき,「それは自分の仕事で責任がある」という結論に自分でたどり着けるよう,丁寧に対話しましょう。

「もしも、パパがやりたくないからって会社を辞めちゃったら、家族はどうなるかな?」

「お金がなくなっちゃう」子どもは不安そうな顔で答えるでしょう。

「そうだね。そうすると、あなたの生活はどうなると思う?ご飯を食べられるかな?」

「ご飯が食べられない!」

[……]

そこで再び「じゃあ、パパもやりたくないからってお仕事をやめてもいい?」と問いかけると、子どもはちゃんと答えるでしょう。「だめ!自分のお仕事はやらなくちゃ」

ルールを無理やり押し付けて守らせるのではなく,子どもが自主的に守れるように導きましょう。 

 

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テレビやゲームは禁止しない方がよい

『「非認知能力」の育て方 心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育』(ボーク重子/小学館)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

子どもにテレビやゲームをどれだけ許したらいいのか,悩んでいる保護者の方も多いことでしょう。『「非認知能力」の育て方 心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育』著者は,テレビやゲームを禁止する必要はないと言います。

[……]我が家ではテレビやゲームについて特に決めごとはせず、娘の意思に任せていました。(やるべきことをきちんとやり、それでもまだ時間があればOKとしていたようです。)[……]娘がテレビやゲームに夢中になることはほとんどありませんでした。

それは、娘がテレビやゲームよりも面白いもの、またそのときにやらないといけないことがあるということを知っていたからだと思います。

テレビやゲームより面白いものを探す

テレビやゲームにばかり夢中になる子どもは「やりたいことなんてない」「テレビを観ているとき,ゲームをやっているときが一番楽しい!」と言います。

テレビやゲームよりも面白いこと,子どもが興味のありそうなことをぜひ保護者の方が一緒に探してみてください。勉強ではなく,スポーツや音楽,趣味でも何でも構いません。ゲームが好きな子はプログラミングが好きなことも多いです。子どもが夢中になれることが見つかれば,テレビやゲームへの依存もなくなるはずです。

ゲームを禁止するとますます魅力的に感じる

きつく叱って無理やりゲームをやめさせたグループと,優しく諭して自主的にやめさせたグループを比べてみると,前者の方がテレビゲームに対して強い魅力や興味を持ち続けたという実験結果があるそうです。 

ゲームを禁止されて育ち,大学に入って親の目が離れた途端,ゲームに明け暮れて大学を中退してしまったという同級生を何人も知っています。ゲームを禁止することで受験は突破できても,親の管理下から離れると,その分の反動がやってくるでしょう。

子どもに判断させることが大切

テレビやゲームをやみくもに禁止するのではなく,「やるべきことはきちんとできたのか?」「本当にテレビやゲームが一番やりたいことなのか?」「やるべきことが全て終わったから,今日は気分転換にゲームをする!」など子どもに考えてもらい,テレビやゲームとも上手く付き合っていきましょう

 

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子どもの自制心を高めるためにルールを決める

『「非認知能力」の育て方 心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育』(ボーク重子/小学館)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

 

ルールによって社会性と自制心を養う

子どもの自己肯定感を高め,自信を持たせるために,自由に発想させたり,意見を言わせたりすることは大切です。しかし筆者によると,それはなんでも子どもの思う通りにさせることではありません。

[なんでも子どもの思う通りにさせるという]無法地帯で育つのは、自分勝手で他者への思いやりに欠けた衝動的な子どもです。社会性や自制心、責任感を高めなければ、子どもはただのわがままで「迷惑な、出る杭」になってしまいます。ルールを理解して守ることができる社会性を身に付けた「愛される、出る杭」になることが重要です。

ルールを子どもと一緒に決め,ルールを皆で守ることができたら,自信も育つと筆者は述べています。

効果的なルールの作り方

ぜひご家庭でルールを作って子どもに守ってもらいましょう。子どもにルールを守らせるコツとして,本書では次の3つが紹介されています。

①たくさんのルールをつくりすぎないこと

禁止されたり、叱られたりすることばかりでは、自己肯定感も低くなってしまうからです。何より、規則がたくさんあると、子どもももうんざりして逆効果になってしまいます。

「子どもがルールを守ってくれない」という相談をよく受けますが,その大半はルールをつくりすぎてしまっていることが原因だと感じます。

どうしても守ってほしい最優先のルールを1つか2つに絞り,まずはそれを子ども自身で守れることを目標にしましょう

②ルールの内容が年齢相応であること

大人から見ると簡単なことでも,子どもにとっては難しすぎることがあります。

例えば「おもちゃを分別して片付ける」ことを家庭のルールにしているのに,子どもがいつまでたっても守れないという相談を受けました。年長さんの子どもにとっては「おもちゃを分別して片付ける」ことが難しすぎたようです。「決まった1つのボックスにその日出したおもちゃをすべて入れる」というルールに変更したところ,子どもはルールを守れるようになりました。

子どもがルールを守れないときは,ルールが難しすぎないかを考えてみてください。

③ルールを決める話し合いに子どもも参加させること

子ども自身に「自分で決めた」という自覚があると、ルールを守ろうとする気持ちも自然に生まれてきます。4歳くらいになれば、こうした話にも参加できると思います。

親が決めたルールを押し付けるのではなく,子どもも一緒に考えることが大切です。

  • どんなルールがあれば家族みんなが気持ちよく過ごせるかな?
  • 誰が,いつ,どんなことをすればいいかな?
  • そのルールはなぜ必要だったかな?(守れなかったときに思い出してもらう)

ぜひ上記について家族全員で話し合いましょう。このような取り組みを通して,子どもの考える力も自然と高まるはずです。

 

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おすすめの子ども向けプログラミング本『ゲームを改造しながら学ぶScratchプログラミングドリル』

今回はおすすめの子ども向けプログラミング本のご紹介です。

2020年7月13日発売『ゲームを改造しながら学ぶScratchプログラミングドリル』(アソビズム著/誠文堂新光社)

【おすすめポイント】

  1. プログラミング未経験の子どもでも30分ほどでゲームを1つ完成させることができる。初心者でも,達成感やプログラミングの楽しさを味わうことができる。
  2. ゲームの素材・原型がすでに用意されているので,すぐに始められる。
  3. 様々なバリエーションのゲームを作ることができる。プログラミングでゲームを作りたい子どもが多いので,モチベーションが上がる

本書を使って,試しに生徒さんにゲームを作ってもらいました。次のような作品を完成させることができました!

ぜひ4連休や夏休みにチャレンジしてみてください。

 

英語力を付けるために国語力を高めよう

先日,生徒さんと一緒に英作文に取り組みました。「フリーマーケットにあなたはよく行きますか。答えと理由を答えなさい」というテーマでした。

生徒さんは「フリーマーケットには行かない。だって『安物買いの銭失い』って言うから」と答え,「『安物買いの銭失い』って英語でなんて言うんだろう?」と考え始めました。「う~ん、分からないなぁ」と悩んだ末,「Google翻訳にかけよう!」と翻訳サービスに頼り始めました。

英語を使うときの脳内処理

英語(外国語)を使うとき,頭の中で次のようなステップを踏みます。

①自分の意見を明確にする

今回の場合は「自分はフリーマーケットに行くか,行かないか」「それはなぜか」を考えます。

②自分が思い描いている現象・日本語がどのような状況を指すのか解釈する

「安物買いの銭失い」とは,「安いものを買って結果として損すること」。あるいは「安いものを買うと不具合があるかもしれない」「新品と違って保証サービスがないから」等の言い換えもできるかもしれません。

言葉の意味や内容を解釈し,外国語に翻訳しやすい形に言い換えます

③日本語から外国語に言い換える

「安いものを買って損すること」「安いものを買うと不具合があるかもしれない」「新品と違って保証サービスがないから」等の表現を外国語に言い換えます。

このようなステップ①~③では,思考力や国語力が問われます。「英語を習う前に,国語をできるようにした方がいいですよ」と保護者の方に話すことが多いですが,それはこのような理由からです。

英語力を付けるためには思考力と国語力が鍵

簡単な英会話を習ったり,ネイティブの英語をたくさん聞いても,思考力や国語力がなければ,英語を使いこなせるようにはなりません。英語のシャワーを浴びても(海外留学を除く),せいぜい中1の英語定期テストで少し良い点数が取れるくらいでしょう。

普段何気なく使用している言葉や概念を別の角度から捉え直すことに,外国語を学ぶ意味や醍醐味があるのではないでしょうか。ビジネスや学術的な場面で使える英語力を身に付けるために,思考力と国語力を養いましょう。

 

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「与えすぎないこと」が子どもの創造力を高める

おもちゃの数が少ないほど創造力が高まる

子どもに与えるおもちゃの数が少ないほど,独創的に遊ぶという研究結果があります。

news.livedoor.com

おもちゃの数が少なければ,子どもは遊び方を工夫し,よりクリエイティブな遊ぶを思いつくようになります。一方,多くのおもちゃを与えられた子どもは,おもちゃを頻繁に変えて遊ぶ傾向にあるそうです。

プログラミングが創造力を高める理由

ゲームで遊ぶよりも,プログラミングでゲームを作る方が,創造力の向上に繋がる理由もそこにあると私は思っています。

色々なゲームを与えられてプレイしても,それぞれのゲーム内で決められたルールで遊ぶことになります。おもちゃを多く与えられたときと同じように,子どもは自分で工夫して遊ぼうとはしません

一方,プログラミングでゲームを作るときは,ゲームのルールから自分で決めていかなければなりません。「こういうルールにしたい」「このルールを実現するために,こうプログラミングしよう」「こんなルールがあればもっと面白いかな?」というように,自ら考え工夫するようになります。このような取り組みが,子どもの創造力を引き出すのです。

子どもに何でも与えたくなってしまうかもしれませんが,ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。

 

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『「非認知能力」の育て方』から学ぶ家庭教育~④親が幸せであることが大切

『「非認知能力」の育て方 心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育』(ボーク重子/小学館)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

 

自分をありのまま受け入れよう

幸せを感じるためには自己肯定感が必要であり,そのためには自分をありのままに受け入れることが大切です。筆者は次のように述べています。

 弱点も含め自分のことをありのまま受け入れる気持ちがなければ、他人との比較で、常に心は後ろ向きになってしまうでしょう。それでは自己肯定感も自信も決して生まれません。

子どもをありのまま受け入れることの重要性については,前回の記事でご紹介した通りです。

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 母親が幸せであることも重要

子育てにおいて,母親の影響は絶大であるため,母親が幸せであることも重要だと筆者は述べています。

母親が自信がなかったり、自分を見失っていたり、不幸であったりすれば、そうした姿勢は子どもにも「伝染」します。また、自分のことを認められていない親は、子どものありのままの姿も愛することができません。常に無い物ねだりをして他の人と比較してしまうからです。 

様々なご家庭を見てきて,やはり母親の精神状態や考え方が子どもに大きく影響を及ぼすと私も感じています。悪い点ばかりに目を向けてしまう,過剰に心配してしまうなど,母親のネガティブな物の見方が,子どもにうつってしまうことも少なくありません

とはいえ,育児,家事,お仕事で忙しいお母さんは,ネガティブな考え方になってしまうこともあるでしょう。お母さんが前向き,かつ幸せであるために,ぜひお父さんや周囲の人がサポートしていただければと思います。

 

 

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