子育て疲れがラクになる 心の持ち方

子を想うからこそ怒ってしまう

つい子どもを怒ってしまうお母さん,お父さんは,子どものことを強く想っています。「がんばればもっとできるのに」「このままではもったいない」「この子は将来どうなってしまうんだろう」「自分一人で食べていけるのかな」――。子どもの人生や将来のことを考えるからこそ,「このままじゃいけない!」と怒ってしまうのでしょう。

子どものためを想って言っているのに,子どもが聞く耳を持ってくれなかったり,事態がよくなるどころか親子の関係性が悪化したりすると,「自分はなんてダメな親なんだろう」と自分を責めてしまうこともあるかもしれません。自分ばかりが子どものことを想い,空回りしていて,心が苦しいという方も多いでしょう。今回は気持ちがラクになる心の持ち方についてお伝えします。

(1) 完璧主義を捨てる

「子どものためを想うと,これもやった方がいいのかな」「もっとこうしてあげないと」「この子のために,できることは全部やってあげたい!」と,完璧なお父さん,お母さんを目指すと疲れてしまいます。気負いすぎると,そのぶん,「なんでうまくいかないの⁉」と怒りの感情も生まれやすくなるでしょう。

子どもと親は別の人間なので,親の思い通りにいかないことも多々あります。大人から見て簡単なことでも,人生経験が浅い子どもにとっては難しかったり,理解できなかったりすることもあります。

うまくいかないことがあっても,「そっか,そういうこともあるよね!」と,ありのままをいったん受け止めると,気持ちがラクになります。

(2) ときには子どもと離れることも大切

「子どものために,あれもやってあげなきゃ」「子どもを一人にするなんてかわいそう」「まだまだ私がサポートしてあげないと」と,子どものことを強く想うがあまり,ずっとそばにいると,欠点が目についてイライラしやすくなったり,気持ちに余裕がなくなったりします。

親がいつでも子どもと一緒にいて,手助けしてあげるのがよいとは限りません。子どもが大きくなるにつれて,一人で取り組まなければいけないことが増えてくるためです。「今日はお留守番にチャレンジしてみる⁉」「いつも一緒にやっているお片付け,一人でやってみようか」「宿題を一人でやってみよう!できたら見せてくれるかな?」――。親が手を離すことに罪悪感を抱かず,子どもを信じて,色々なことを任せていきましょう

(3) 間違いに気づいたら素直に謝る

「あのときの対応は間違えていたな」「子どもを傷つけてしまったな」と思ったら,子どもに素直に伝えましょう。

必要以上に自分を責めたり,親らしくありたいという気持ちから,謝ることがためらわれたりするかもしれません。しかし,「ごめんね、あの言葉がけはよくなかったね」「あなたのためを想って言ったんだけど,嫌な言い方だったよね」と,親の気持ちを素直に伝えることで,子どもも「こんなにも自分のことを想ってくれているんだ!」と気づくことができます

「これくらい伝わっているだろう」「口に出さなくても,わかってくれているだろう」ということでも,言葉にして伝えることで,より強い信頼関係を築くことができます。「しまった!よくない言葉がけをしてしまった!」と思ったときこそ,子どもと信頼関係を築くチャンスなので,ぜひ前向きに捉えましょう。

育児は365日お休みがないので,本当に大変ですが,このような心持ちで取り組んでいただけると,少し気持ちがラクになるかもしれません。

 

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子どもをやる気にする言葉がけ⑨~努力した部分をほめる

「まだここもできていない……」「またこんな悪いことをして!」「厳しく声かけしないと!」と子どもの悪い点,不足している点が気になり,つい叱ってばかりになってしまうお父さん,お母さんも多いと思います。しかし,叱るのと同じくらい,よい点やがんばっている点をほめることも大切です。叱る声かけとほめる声かけが,割合として半分ずつくらいになるように心がけましょう。

叱られてばかりだと,誰しもやる気が出にくいものです。「前よりここがよくなったね!」「最近,この部分はがんばってるよね!」と周りから認めてもらえると,それが励みになって,「ちゃんと見ていてくれるんだ!」「もうちょっとがんばってみよう」と,さらに努力することができます。

「うちの子は、本当に悪いところばかりなんです」「ほめるところなんてないんです」とお思いの保護者の方もいらっしゃるかもしれません。しかし,その子の中で成長している点は必ずあるはずです。周りと比べるのではなく,過去の子ども自身と比べて,よくなっている点やがんばっている点をぜひほめるようにしてください

具体例をご紹介しましょう。小学一年生のAくんは文字の読み書きが苦手で,ひらがなを書くのも一苦労していました。それでもAくんはがんばって学校の宿題や作文に取り組んでいました。

しかし,Aくんのお母さんは,「汚い字ね!もうちょっと何とかならないの」「こんな字,読めないわよ。書き直しなさい!」と厳しく声かけしました。「こんなのがんばっているうちに入らないわ」「周りの子はもっと上手にすらすらと字を書けるのに……」「もっとがんばってもらわないと!」と考えていたためです。Aくんの不足している点,まだできていない点ばかりが気になり,努力している点や,前よりできるようになった点を認めることが難しかったのです。

しばらくすると,Aくんは文字を書くことを避けるようになりました。「ぼく,作文なんて大っ嫌い!」「ぜったいやらないから!」と強い口調で拒絶するようになってしまいました。

悩んだAくんのお母さんは,私のもとに相談に訪れました。私は簡単な作文プリントを用意して,何とかAくんに取り組んでもらうところから始めました。そして,できるようになった点を積極的にほめるようにしました。

「字をすらすら書けるようになったね。前回より速く書けているよ。この調子!」

「前は『嫌だ!』って言ってたのに、今日は自分からプリントに取り組んでくれたね。ありがとう!」

「今日はカタカナを使えたね。とてもいいね!」

「前より字が上手になったね!ほら,プリントを見比べてみるとよくわかるよ。この前のプリントより,今日のプリントの方が,きれいに字が書けているね。最近本当によくがんばっているからね!」

このような声かけを継続したところ,Aくんは少しずつ自信を取り戻したようでした。「今日もプリントがんばってみようかな!」「見て!今日は漢字も使ってみたんだ!」と,自ら進んで学習に取り組むようになりました。

このように,よくなった点やがんばった点をほめると,子どもの努力する姿勢を引き出すことができます。大人が期待している水準にまだ達していなくても,プロセスや姿勢を認めることが大切です。コツコツ粘り強く取り組むことができれば,たとえ時間はかかっても,一つ一つ壁を乗り越え,やがて努力が実を結ぶでしょう。

 

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子どもが問題行動を起こす原因を知る③~やめたくてもやめられないから

お母さん,お父さんに叱られたい子どもはいません。皆,ほめてほしい,認めてもらいたいと願っています。それなに,なぜ子どもは問題行動を起こしてしまうのでしょうか。

以前述べた通り,子ども自身で問題行動だとわかっていない場合もありますが,わかっていてもやめられないこともあります。

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問題行動を起こすのには原因がある

たとえば,集中しなければいけないのに,他のことが気になって,やるべきことに取り組めないという子どもは少なくありません。「集中しなきゃ!」「これをやらないと」とわかってはいるものの,自分をうまくコントロールできす,どうしても集中できないのです。子ども自身も「何とかしたい!」と心の底では思っているのですが,改善の方法がわからないので,つい同じことを繰り返してしまいます。

子どもが集中できないのには,何か原因があるはずです。もしかすると机の上が散らかっていて,ほかのものに目が行きやすいのかもしれません。兄弟がはしゃいでいて気になってしまうのかもしれません。睡眠不足でやる気が起きないからかもしれません。取り組んでいる課題が子どもにとっては難しすぎて,なかなか進められず、ほかの楽しそうなことに目移りしてしまうこともあるでしょう。

子どもと一緒に対策を立てることが大切

子どもの問題行動の原因を親が探り,ぜひ改善の手助けをしましょう。子どもも「何とかしたい!」「叱られたくない!」と思っているはずなので,「どうやったらよくなるかな?」「なぜこんなことをしてしまうかな?」と一緒に対策を立ててみてください。

「これをやればよくなるんだ!」「叱られなくてすむ!」「お父さん,お母さんを喜ばせたい!」と,問題行動を解決する第一歩を踏み出せるでしょう。

 

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子どもをやる気にする言葉がけ⑨~ポジティブな表現に変える

同じことを伝える場合でも,伝え方によって,相手に与える感情や影響は大きく変わってきます。次のような例を考えてみましょう。AとBはどちらも同じ状況でのコメントですが,受け取る印象はかなりちがうと思います。

 

A「また進級テスト不合格だったの⁉何回不合格を取るの!はずかしい……。もっとがんばらないといけないんじゃないの⁉」

B「進級テスト不合格だったんだね。最近、不合格が続いているね。でも先生からの評価は上がっているからいいね!『この部分がもっとできるといいね』って書いてあるから、そこをがんばれば、次こそ合格できるんじゃない⁉」

 

A「こんな簡単な問題を間違えたの⁉他の子はみんなできているわよ。本当にできない子ね!」
B「この問題を間違えたんだね。弱点がわかってよかった!次からできるようにしておこう。難しかったかな?それとも計算ミスかな?間違えることは悪いことじゃないけど、原因を分析して,次から同じ間違いを繰り返さないことが大切だよ」

 

A「また遊んでるの⁉いい加減にしなさい!何度言ったらわかるの!」

B「今は何をする時間だったかな?そうだね、宿題をやる時間だったね。どうして遊んでしまうのかな?叱られるのもイヤだと思うし、お母さんも叱りたくないなぁ。どうすれば宿題に集中できるか,一緒に考えようか!机の上にゲームが置いてあるからかな?集中しやすいようにお片づけをしようか!」

 

A「汚い字ね!書くのも遅いし……。もっと速くきれいに書けないの⁉それに,ここはカタカナでしょ!カタカナも書けないの⁉」

B「最近,がんばって日記を書いてくれているね。苦手なことにも自分から取り組む姿勢がとてもいいね!ひらがなは前より上手に書けるようになってきたね。慣れてきたら,もっと速くきれいに書けるようになるから,この調子でがんばろう!カタカナも書けるようになると,もっといいね!」

 

AとBを読んで,それぞれどのような気持ちになりましたか。Aのようなマイナスの表現だと後ろ向きの気持ちになり,逆にBのようなプラスの表現だと前向きになれることを感じ取っていただけたことと思います。

実際に,子どもは親の言葉がけや考え方から大きな影響を受けます。悲観的,否定的な言葉がけが多いと,子どもも「ダメだ」「できないんだ」とネガティブな考え方になり,逆に楽観的、肯定的な言葉がけが多いと,「できそう!」「よし、がんばってみよう!」とポジティブな考え方になりやすいです。

もちろん何の根拠もなく,「できるよ!がんばって!」とむやみに励ますのは効果的ではありません。「ここはいいね!」「もっとこうするとさらによくなるね!」「そうすればきっと夢を叶えられるよ!」と具体的な理由や対策を話しながら,明るい未来を子どもと一緒に思い描きましょう

このように,伝え方を工夫するだけで,子どものやる気を引き出すことができます。ぜひマイナスの言葉がけをプラスの表現に変えるように意識してみてください。

 

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子どもが問題行動を起こす原因を知る②~問題行動だとわかっていないから

 叱られたくて,問題行動を起こしている子どもはいません。子どもは皆,お父さんやお母さんからほめてもらいたい,認めてもらいたいと願っています。それなのに,なぜ問題行動を起こしてしまうのでしょうか。

 問題行動だとわかっていないから

大人から見ると問題行動に思えることも,子どもは問題行動だと思っていないことがあります。

具体例をご紹介しましょう。小学一年生のAくんは授業中に私の話をまったく聞いてくれません。「そんな問題やりたくない!」「おれは自己流でいく!」「好きなプログラミング作品をつくりたい!」「お手本なんて見なくてもロボットをつくれる!」――。授業中,Aくんは自分の思いのままに行動します。自分のやりたくないことは一切やりません。

そこで私は次のような話をしました。「お手本通りに勉強することは大切なことなんだよ。お手本通りに勉強したら,色々な知識や考え方が身につく。すると先生に質問しなくても,自分の好きな作品をつくれるようになるんだよ。」「だから,まずはお手本に沿って勉強をしよう。好きなことばかりやると遊びになってしまうよ。授業では毎回やるべきことがあるけど,それをやっていくと力がつくようになっているんだよ」――。

このような話をすると,Aくんは「そうなの⁉」ととても驚いた様子でした。授業中に好き勝手にすることを,Aくんは問題行動だと思っていなかったようです。授業中には何をすべきか,そのことにどんな意味があるのかを説明すると納得したようです。このような話をしたあと,Aくんはカリキュラムに沿って学習を進められるようになりました。

このように大人から見ると問題行動に思えることであっても,子どもは問題行動を起こしているつもりがないこともあります。なぜその行動はよくないのか,どのように行動するのがよいのか,その行動を取るとどうなるのか,ぜひ子どもと話し合いましょう。子どもが納得すれば問題行動がおさまるはずです。

 

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子どもが問題行動を起こす原因を知る①~構ってほしいから

問題行動を起こそうと思って起こしている子はいません

お父さん,お母さんに叱られたくて,問題行動を起こしている子どもはいません。子どもは皆,お父さんやお母さんからほめてもらいたい,認めてもらいたいと願っています。それなのに,なぜ問題行動を起こしてしまうのでしょうか。

構ってほしいから問題行動を起こしてしまう子もいる

やってはいけないことだとわかっていながらも,ついふざけたり,悪いことをしてしまう子がいます。お父さんやお母さんが忙しく,あまり構ってもらえなかったり,「もっと自分のことを見てほしい」という気持ちが子どもの中で大きくなると,問題行動を起こす場合があります。叱られてもいいから自分に注目してほしい,叱られても自分に構ってくれることがうれしい――。このような感情から子どもは問題行動を起こすことがあるのです。

実際に私の教室でも,そのような生徒さんがいました。ご両親はとても優秀な方で,お仕事で忙しくされていましたが,事情を説明すると納得してくださいました。「なぜうちの子は問題行動を繰り返すんだろう,他の子より問題行動が多いと感じていましたが,理由がわかりました」とおっしゃり,その後は私のアドバイスに沿って,子どもへの接し方を変えてくださいました。

子どもの話をこれまで以上にきちんと聞き,よい点やがんばった点は意識的にほめてもらったところ,その生徒さんの問題行動は収まりました。

子どもが問題行動を繰り返すとき,「子どもと向き合う時間をきちんと確保できているかな?」「子どもなりにがんばってる点を見つけてほめられているかな?」と,ぜひふりかえってみてください。

 

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子どもをやる気にする言葉がけ⑧~自分で決めさせる

子どもに指示するのをやめる

子どもがダラダラしているのを見て,「早くやりなさい!」「まだやってないの⁉」とつい怒りたくなることもあるでしょう。しかし、子どもはそのような言葉を投げかけられると,「今からやろうと思ってたのに」「うるさいなぁ」と意地になって反発してしまうかもしれません。そして親子げんかに発展し,親子ともども嫌な思いをするといった経験をしたことがあるお父さん,お母さんも多いのではないでしょうか。

子ども自身で決めさせることが大切

「早くやりなさい!」という言葉がけを,ぜひ「いつやるの?」「どうするの?」と子ども自身で決めさせる質問に変えてみてください。「このテレビが見終わったらやる」「夕食後にやる」「明日にやる」など,子ども自身に考えさせ,約束して守ってもらいましょう。

多くの子どもは,自分で決めたことはやり遂げようとします。他人から「やりなさい!」と指示されるよりも,自分で「こうしよう!」と決めたことについては、誰しもやる気が出るものです。「よし、番組が終わったからやろう!」「夕食を食べ終わったからやろう!」「約束したからね!」と,素直に行動を起こすことができます。

子ども自身で考えて,予定を決めるということ自体,とても大切なことです。親に「早くやりなさい!」と言われなくても,子ども自身で考えて行動できるよう,ぜひ質問してきっかけを与えましょう。

自分の言動に責任を持たせる

「このテレビが見終わったらやる」「夕食後にやる」「明日にやる」と,子どもが約束したにもかかわらず,守れていない場合は,注意するようにしましょう。「さっきの約束覚えているかな?」「約束はきちんと守ろう」と,約束の重要性について伝えるようにしてください。自分の言動に責任感を持たせることは,とても大切です。

約束をきちんと守れたときには,「約束を守れたね!覚えていてくれたんだね」「お父さん、お母さんはとても嬉しいよ」と子どもをほめるようにしましょう。「お父さん,お母さんは,自分のことを見守っていてくれるんだ!」「よし,もっとがんばろう!」と子どものやる気を引き出すことができます。よくないこと,不十分な点についてはきちんと指摘しつつも,よくなったところ、努力した点については評価することを心がけると,子どもと強い信頼関係が築けるでしょう。

子ども自身で考え決めてもらうことで、自ら行動できるよう導きましょう。 

 

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子どもをやる気にする言葉がけ⑦~感情的に叱る前に問いかける

親の感情をぶつけない

子どもを叱るとき,「いい加減にしなさい!」「やめなさい!」「謝りなさい!」と感情をぶつけていないでしょうか。

子どもが危ないことをしているときなど,一刻も早く問題行動をやめさせたい場合は,たしかに厳しい声かけも必要です。しかし日常的に感情的な声かけをしていると,「また怒ってるなぁ」と子どもの心に響かなくなってしまいます。子どもを叱る前に一呼吸置いて,なるべく感情的な言葉を投げかけないようにしましょう。

子どもに問いかけて考えさせる

「今は何の時間だったかな?」「お片づけの時間だったよね」「お友だちにそんなこと言っていいのかな?」「お母さん、前にお話ししなかったかな?」――。感情的な声かけを問いかけや確認の言葉に変えるだけでも,子どもを叱る回数がぐんと減ります。そして,このような言葉を投げかけられると,子どもは自分自身で気づいて,問題行動をやめられるようになります。

「今はお片づけの時間だった!」「また遊んでしまったけど,お片づけを始めなきゃ!」「お友だちを傷つける言葉を言ってしまった!」「お母さんに前も注意されたな。次から気をつけよう」と自分の行動を振り返り,変えられるようになります。

「自分で気づけたね!」と親が子どもの成長を認めてあげると,子どもは嬉しくなって、ますますいろいろなことに前向きに取り組めるようになるでしょう。

私の教室でも,生徒さんがやるべきことに取り組めず,つい遊んでしまったり,大声で騒いでしまったりすることは多くあります。年齢が小さい子どもの場合,ある程度仕方がないことだと感じます。「ちゃんとやりなさい!」と叱らず,「今は何をやる時間だったかな?」「それは今やることだったっけ?」「大声で騒いでもよかったかな?」「なぜダメか,前にお話したかな?」と生徒さんに質問して考えてもらうようにしています。問いかけるだけで,ほとんどの生徒さんはご自身で気づき,行動を改善してくれるので,私が叱ることはありません。

「いい加減にしなさい!」「やめなさい!」「ダメでしょ!」と感情をぶつける前に,ぜひ子どもに問いかけて,気づくきっかけを与えましょう。「よく自分で気づけたね!」「次からはそうしようね!」とほめることで,子どものやる気を引き出すことができるでしょう。

 

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子どもの集中力の引き出し方~『「損得の人」「好き嫌いの人」の意外に大きい差』から考える

東洋経済オンラインで興味深い記事を見かけたので,シェアさせていただきます。

toyokeizai.net

本記事をもとに,子どもの集中力の引き出し方について考えてみたいと思います。

集中できない原因を探ることが大切

子どもがなぜ勉強に集中できないのか,原因を探ることはとても大切です。本記事の冒頭で述べられている通り,それは勉強に興味関心が湧いていないからかもしれません。勉強に興味関心が湧かない原因も様々です。

  • 好きな教科を見つけられていない→例えば国語ではなく理科なら楽しいと思えるかもしれません
  • 難しすぎる問題ばかりに取り組んでいる。「できる!」「分かる!」という経験が不足している
  • 間違えることが嫌だと思っている
  • 勉強は書き取りや計算問題のような単純作業だと思っている。考える楽しさを知らない

その他,テレビがつけっぱなし,机の上が散らかっているなど,環境的な要因から勉強に集中できないこともあるかもしれません。勉強に興味関心はあるけれども,どのように勉強を進めていいか分からなかったり,勉強しても身に付いている実感がなかったりすることが原因かもしれません。

集中できない原因に応じた対策を取る

子どもに勉強に集中してもらうためには,なぜ集中できないのかを明らかにして,その原因を取り除きましょう。

本記事を執筆された石田勝紀先生は,子どもを「マルチタスク型」「シングルタスク型」に分けて意見を展開されています。

  • マルチタスク型:価値基準は「損得」。無駄が嫌い。効率性を好む。方法論,やり方,ノウハウ,スケジュールなどが大好き。
  • シングルタスク型:価値基準は「好き嫌い」。好きなことは徹底してやるが,そうでないことは後回しにするか,やらない。

当然のことながら人間誰しも、損得、好き嫌いの両方の価値基準を持っていますが、どちらが優位であるかということで考えてみると、何か糸口がつかめるはずです。

確かに子どもの価値基準によって導き方は異なるでしょう。石田先生がおっしゃるところの「マルチタスク型」の子どもに対しては,「こうやったらもっと勉強ができるようになるかな」と効果的な学習法を一緒に模索し,「シングルタスク型」の子どもには好きな分野・教科から取り組ませて,勉強に興味を持ってもらうとよいかもしれません。

大きなポイントは,勉強に集中できない原因がどこにあるかということです。勉強のやり方が分からないから身が入らないという場合は,効果的な学習方法やスケジュール管理などについて子どもと話し合いましょう。好きなことでないと取り組めない性格で,勉強の楽しさが分からないから集中できないという場合は,子どもが「楽しい!」と思える分野や教科から学習を始め,少しずつ範囲を広げていくとよいでしょう。

子ども一人一人の性格や状況に応じて,集中力の引き出し方は異なります。「なぜこの子は勉強に集中できないんだろう?」と原因を考え,子どもに合った対策を立てましょう。

 

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子どもをやる気にする言葉がけ⑥~周囲と比較して否定するのを止める

周囲と比較して否定すると子どもは自信を失う

「お友達はもうこんな難しいのをやってるんだって!」「まだこのドリルをやってるのはあなただけじゃない!」――。子どもに競争心を持たせたくて,ついこのような言葉がけをしていないでしょうか。

周囲と比べて否定する言葉がけは,子どもの自信を喪失させます。「周りと比べて自分はダメなんだ」とマイナス思考になってしまったり,「自分なりにがんばっているのに!」「お母さん,お父さんは自分をきちんと見てくれていない!」と怒りを感じたり,心を閉ざしてしまうでしょう。

このような言葉がけを続けていると,嘘を付いて見栄を張るような,子どもの言動が目立ち始めます。分からないのに「分かるよ!」,できていないのに「できたよ!」と言ったり,悪い点数を隠して良い点数のものだけ見せたりするようになるかもしれません。子どもの中でコンプレックスが大きくなると,できない部分から目を逸らして,できる部分にしか着目しなくなります。そうなると,上手くいかない原因を分析して、やり方を改善したり,新しい目標に向かって努力したりすることが難しくなるでしょう。

子どもの成長を見守ることが大切

成長のスピードは子ども一人一人によって異なります。現時点で周囲と比較して遅れていても,時間が経つと追いついたり,追い越したりしている可能性も十分にあるのです。私の教室に通われている生徒さんで,成長がゆっくりの子がいましたが,小学校高学年になると,周囲と比較しても高いレベルにまで学力が伸びました。小学校三年生のころには,周囲と比較してかなり成長が遅く,保護者の方も焦っていましたが,「前よりこの部分はよくなったね!」「次はここもできるようになるといいね!」とその子自身の成長を認め,次の目標に向かえるような言葉がけを心がけてもらいました。そのおかげで生徒さんは,「ここはほめてもらえた!見守ってくれていて嬉しいな」「もうちょっとがんばってみよう!」「次はここもできるようになりたいな!」とコツコツと頑張り続けることができました。

成長した点を認め次の目標を伝えることでやる気を引き出す

ありのままの現実を受け止めて,物事に自発的に取り組んでもらうためには,周囲と比較して子どもを否定するのではなく,「前よりこの部分はよくなったね!」「ここもできるようになるといいね!」とよくなった点を認め,次の目標を伝えましょう。そうすれば,「お父さん,お母さんはきちんとがんばりを見ていてくれるんだ!」「まだお友達よりもできないけど,もうちょっとがんばってみようかな!」と子どものやる気を引き出すことができるはずです。

 

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