親は子どもの勉強をどこまで見るべきか,見るべきポイントは?

子どもの勉強をどこまで見ればいいんだろう?」と疑問に感じていらっしゃる保護者の方も多いと思います。

  • 親が子どもの勉強をどこまで見るべきか
  • 介入すべきポイント
  • どのような声掛けをすればよいか

についてお伝えします。

① テスト・成績表は必ず確認する

勉強が上手く行っているのかどうかを知るために,親が子どものテストや成績表を確認するようにしましょう。

子どものテスト・成績表を親が全くチェックしないご家庭がありますが,それだと現在の学習状況を把握することができません。気づいたときには,わからない範囲・教科が膨れ上がっていて,手遅れになっていた……ということになりかねません。

テスト・成績表を見て,子どもを叱ったりする必要はありませんが,どの程度点数を取れているのか,成績は上がっているのか・下がっているのかを親が把握するようにしましょう。

テスト・成績表を確認し,好成績だったり,立てた目標を達成できている場合は,今のやり方で学習が上手く行っているということです。そのまま子どもに勉強を任せても良いでしょう。

成績が悪い,目標を達成できていない場合は,次の②~⑤に取り組みましょう。

② 勉強のやり方をチェックする

勉強ができない子は,やり方に問題があることがほとんどです。

例えば,問題が解きっぱなしになっていて丸付け・やり直しができていない,解答集を見ながら答えを丸写ししてそのまま〇を付けている子は本当に多いです。

このやり方だと,自分がどこまでわかっていてどこからわからないか,区別することができません。結果,できない問題をそのまま放置することになり,成績が伸びません。

ノートや問題集を親がチェックして,効果的なやり方で勉強に取り組めていない場合は,子どもに声掛けするようにしましょう。「丸付け・やり直しはきちんとやろう」「答えを写して◯を付けるのではなく,自分で解けるようになるまで繰り返しやり直すことが大事だよ」などと伝えましょう。

③ わからないところがないか声掛けをする

わからない問題があるとき,解答集を読んだり,先生に質問したり,わからないものをわかるようにすることが大切です。

わからない問題をそのまま放置してしまう子も多いので,「わからないところはなかった?」「付箋を貼って先生に質問してきたら?」などと声を掛けましょう。

④ 一緒に目標や計画を立てる

一人で目標や計画を立てられない子も少なくありません。目標や計画を立てないと,気分で勉強をやったりやらなかったりして,「テスト前なのに勉強が終わっていない」「1か月経ったのにドリルが思ったほど進んでいない」という状況に陥ってしまいます。

親子で話し合いながら,どんな目標に向かって頑張るのか,その目標を達成するためにはどのような計画で学習を進めればよいかを決めましょう

毎日,何をどこまでやれば良いかが決まっていれば,子どもは勉強に取り組みやすくなります。何のためにその勉強をするのか,どのような目標につながっているのかがわかると,納得して勉強に取り組むことができるため,吸収率も上がります

⑤ 進捗管理をする

目標や計画を立てても,計画通りに学習するのが難しいこともあります。

計画にズレが生じるとやる気がなくなってしまい,そのままズルズルと勉強しなくなり,計画が全く無意味なものになっていた……ということは少なくありません。

その日やるべき学習が終わったかどうか,親が進捗を管理するようにしましょう。「今日の勉強は終わったの?」と声掛けするだけでなく,ノートや問題集を実際に子どもに見せてもらって,②・③のような勉強のやり方も併せてチェックするのがおすすめです。

毎日チェックする時間がない場合は,2-3日に1回で良いと思います。

もし計画通りに勉強が進んでいない場合は,いつ挽回するのかを子どもと一緒に話し合いましょう。そうすることで,子ども自身で計画を調整して実行できるようになります。

付きっきりで勉強を教えるのはNG

上記①~⑤のように必要なポイントで親が勉強に関わることは大切ですが,付きっきりで教えるのはおすすめしません。

「わからないところはお母さん,お父さんに聞けばいいや」「家で教えてくれるからいっか」というように,子どもは親に頼るようになります。これでは自身で考えて質問したり,試行錯誤したりする姿勢が身に付きません。

小学校3年生くらいまでは,まだ勉強のやり方がわからないので,横について教えることも時には必要ですが,だんだんと手を離していくようにしましょう。

高校生になっても,親に勉強を教えてもらったり、丸付けをしてもらったりしている子がいます。社会に出る前に,子ども自身で考えて試行錯誤する力を養うために,勉強に取り組んでいるはずです。それなのに,子どもに悪い成績を取ってほしくない一心で親がずっと付きっきりで勉強を教え,自主性や考える力を奪うのは本末転倒です。

子どもに勉強のやり方のコツを掴んでもらえるよう,必要なポイントで関わり,少しずつ手を離して子どもの成長を見守りましょう。

 

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塾に行って成績が上がる子・成績が上がらない子のちがい

塾に行って成績が上がる子もいれば,成績が上がらない子もいます。なぜこのような差が生まれるのでしょうか。両者のちがいについて考えてみましょう。

【塾に行って成績が上がる子】

①素直な子

先生のアドバイスを素直に聞き,実践できる子は伸びます。勉強のやり方を改善できるので,成績が上がります。

②目的意識がある子

「今回はこの範囲をできるようにしたい」「先生にこれを質問したい」というように,子ども自身で目的意識を持ち,授業に参加できるかは大切です。目的意識があれば,集中して授業を聞くことができるので,知識・吸収率が大幅に上がります

③宿題をきちんとやってくる子

先生が出した宿題をきちんとやってくる子は,学習内容が定着するので,成績が上がります。

【塾に行っても成績が上がらない子】

①アドバイスを聞かない子

先生のアドバイスを聞かずに,「ふ~ん」「でもこっちの方がいいし」と自己流にこだわる子は伸び悩みます。勉強のやり方を改善していくことができないので,成績が上がりません。

②塾に行けば何とかなると思っている子

「塾で座って授業を聞いていれば成績が上がる」「先生が何とかしてくれる」と思っている子は伸びません。受け身な姿勢で授業を聞くだけでは,学習内容が頭に残りにくいです。

③家で勉強しない子

「塾で勉強してるから大丈夫!」と考え,家で勉強しない子は成績が上がりません。出された宿題にきちんと取り組むことで,学習内容が定着します。家で勉強しなければ,授業で教わった内容をどんどん忘れていってしまい,テストで出題されても答えられません

「塾に行けば成績が上がる」とお考えの保護者の方も多いですが,【塾に行っても成績が上がらない子】の特徴にお子様が当てはまっている場合,成績は伸びないでしょう。お子様の意識・考え方を変えていく必要があります。

「何のために塾に通うのかな」「目的意識を持って授業に参加することが大事だよ」「宿題をなぜやらないといけないのかな」「宿題をやらないとどうなるかな」など,ぜひお子様に声掛けしましょう。

 

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<1か月で数学のテストが10点上がった!>東大卒業生が教える!着実に成績を上げる方法~一つの教科・範囲に絞って勉強しよう

成績が上がらないとき,焦って「あれもこれも......」と色々な教科や教材に手を出していませんか。

すでにある程度の成績が取れており,飲み込みが早く,器用にこなせる子は良いかもしれません。しかし,成績が平均点くらい~平均点以下の場合,どの教科・範囲も中途半端で身に付かないままになってしまい,頑張ったのに成績が全然上がらなかっ......という結果になりがちです。

まずは一つの教科・範囲に絞って完璧にできるようにしよう

最近,私の教室(テラック)に,中学1年生の生徒さんが入会されました。これまで他の塾に通われていましたが,一向に成績が上がらなかったそうで,どの教科のテストも50点満点中10点取れるか取れないか......という成績でした。

テラック入会からまだ1か月しか経っていないのに,なんと数学テストの得点が10点ほど上がりました

保護者の方に,教科・範囲を広げ過ぎると成果が出にくいこと,まずは教科・範囲を一つに絞って確実に点数を取れるようにすることをお伝えし,ご理解いただいた上で,この1か月,数学の計算問題のみに絞って特訓を行いました。

「次のテストまでに計算問題は解けるようにしよう!」「次のテストでは,計算問題を全て正解することを目標にしよう!」と生徒さんに話しました。

生徒さんも「それならできそう!」とやる気が出てきたようで,1か月間,頑張って勉強に取り組んでくださいました。間違えた問題は授業中に何度も解き直したり,宿題に出したりしました。宿題にもきちんと取り組んでくださったので,授業で学習した内容が定着し,テスト本番でも成果が出たようです。

1問だけ惜しいミスがありましたが,他の計算問題は全て正解しており,前回のテストから10点ほど得点が上がりました。生徒さんもとても嬉しかったようで,ますますやる気が出たようでした。

「授業でやったことは着実にできるようになっているね!すごい!」

「家でもきちんと勉強してくれているからだね」

「ミスが惜しかったね。次のテストまで1か月あるから,次は図形の範囲の特訓をして,基本的な問題を解けるようにしよう」

「そうすれば,次のテストではまた10点くらい上がりそうだね!」

生徒さんにこのように話すと,「確かにそれなら達成できそう!」「今回も目標を達成できたし,次も頑張る!」と前向きにとらえてくださったようです。

以前は勉強に対してネガティブなことしか言わなかったのに,最近は「わかる問題が増えてきて,勉強が楽しい!」「次の目標に向かって頑張る!」と保護者の方に話すようになったり,勉強に向かう姿勢が変わってきたとのことでした。

学習内容を数学の計算問題のみに絞って,確実に目標を達成できるように導いたのが,功を奏したのだと思います。「数学も,英語も,国語も......」と欲張っていたら,どれも中途半端になってしまい,きっと結果が伴わなかったのでしょう。

小さな目標を達成していけば,少しずつ自信も付き,やる気も湧いてきて,大きな目標も達成できるようになります。現状を把握して,子どもに合った目標を立てたり,学習内容を取捨選択したりすることが大切です。

 

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子どものやる気を引き出すのは塾の役割?

色々な保護者の方と話していると,「子どものやる気は塾が引き出してくれる」と思っていらっしゃる方もいるように感じます。

実は,子どものやる気を塾で引き出せる場合と,引き出せない場合があります。両者の差は,子どもが素直に先生のアドバイスを聞けるかどうかによって生まれます。

【子どもが素直に先生のアドバイスを聞ける場合】

「そういう解き方もあるな~」「今度使ってみよう!」というように,新しい知識や考え方をどんどん吸収・活用していくことができます。すると解ける問題が少しずつ増えてきて,勉強の楽しさに気づき始めます。

最初は「勉強嫌い!」「家でも絶対やらない!」と言っていた子も,「あれ?前より勉強が嫌じゃなくなってきたかも」というように感じ方が変わってきます。

次第に宿題を出しても取り組めるようになってきて,テストの点数も伸び始めます。この段階まで到達すれば,勉強に対するやる気は自然と出てきます。

【子どもが素直に先生のアドバイスを聞けない場合】

「ふ~ん」「でもこっちのやり方がいいし!」と自己流にこだわるため,新しい知識・考え方を吸収したり,学習法を改善したりすることができません

宿題を出してもやってこないので,当然成果も出ません。

勉強がおもしろくないままなので,やる気も出ません

もちろん,講師として子どもに信頼してもらえるように努力はしますが,それでも素直に話を聞いてくれない子は少数ながらもいるものです。

素直かどうかは,元々の性格によるところもありますが,家庭教育でも変えられる部分です。

親が子どもに「~しなさい!」と日ごろからガミガミ言ったり,勉強を無理やり教えて,親のやり方を押し付けても成果が出なかったりした場合,反抗心が大きくなり,素直さが半減します。

「大人はいつもガミガミ叱る」「どうせ言うことを聞いても勉強ができるようにならないんでしょ?」と斜に構えるようになりますので気をつけましょう。

ここまでこじれる前に,塾に入れる(=第三者に勉強を見てもらう)ことをおすすめします。

素直な子でも,部活や自分の好きなことに気を取られ過ぎていたり,いつも時間に追われ体力・精神面の負担が大きく,勉強どころではなかったりする場合は,やる気を引き出すのが難しいです。

その場合は,勉強をお休みして,部活や好きなことに集中したほうが良いと思います。また時間に余裕ができたり,気持ちが変わったりしたときに,勉強を再開したほうが効果的です。

このように,子どものやる気を塾で引き出せる場合もありますが,引き出せない場合もありますので,お子様の様子を見たり,「本当はどうしたいの?」「勉強できるようになりたいの?」「今は部活を頑張りたいの?」などと話し合ったりしながら,塾に行くかどうかや授業数などについて決めましょう

 

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「早く解きなさい!」と子どもを急かすと,考える力が育たない

子どもが問題を解くのに時間がかかっていると,イライラして「まだ考えてるの?早く答えを出しなさい」と急かしたり,子どもに答えを教えてあげたりする親がいます

しかし,このような接し方をしていると,子どもの学力は伸びなくなります。学年が上がるにつれて,見てすぐに解き方がわかる問題は減り,じっくり考えないと解けない問題が増えてくるからです。

考える時間が長いと非効率的だと考え,子どもに早く答えを求めるよう急かす保護者の方がいらっしゃいますが,これでは子どもの考える力が育たず,学年が上がるにつれて成績が下がってしまいます。

※すぐに取り組めるはずの計算や漢字の問題に対して時間をかけて,ダラダラしている場合などは,お声掛けいただいて構いません。「5分でこのプリントをやろう!」というように時間制限を設けて,効率的に取り組めるように促しましょう。

「よく考えているね~」「もし答えが出なくても、自分で考える姿勢が大切だよ」「問題文からわかることは他にないかな?」「もうちょっと考えてみよう!」などと子どもに伝え,粘り強く考えるよう導きましょう

答えをすぐに教える保護者の方もいらっしゃいますが,人から聞いた答えは記憶に残りにくいため,たとえ時間がかかっても,子ども自身で考えたり調べたりすることが大切です。

考えたり調べたりする時間が取れないくらい,日々忙しいという場合は,習い事の数や塾の授業数が多すぎないか,子どもに難しいことをやらせすぎていないかを確認してください。

やるべきことが多いと,一つ一つに時間をかけられず,どれも中途半端になってしまいます。取り組みの数を絞ったり,難易度を下げたりすることで,吸収率が上がるため,子どもの様子を見ながら調整するようにしましょう。

「自分で考えたり調べたりするのが楽しい!」「コツコツ取り組んでいたら,できるようになってきた!」と子ども自身で感じられるようになれば,やる気も高まり,自然と学力も高まるはずです。

 

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「悪いことをしている!」と子どもの行動を決めつけていませんか

親子向けの講座や保護者向けセミナーを開催していると,親の声掛けが子どもに影響を与えていると感じることが多くあります。

子どもが心を閉ざしてしまったり,思春期に反抗期がひどくなってしまったりする原因として,「親が子どもの行動を決めつけている」ことが挙げられます。

例えば,こんなことがありました。中学一年生の男の子が,お友達と楽しくじゃれ合っていました。会うのが久しぶりだったようで,お互いに突っ込みを入れ合ったり,和気あいあいとした雰囲気で歓談していました。

すると,それまで別の場所に居たその子の親が突然戻ってきて,「こら!いじめない!」と声掛けしました。一瞬にして空気が悪くなり,男の子はしゅんとしてしまいました。お友達も気まずそうな表情になり,楽しい雰囲気が一変してしまいました。

「いじめる」と表現することは,親が子どもの行動を「悪いこと」と決めつけているようなものです。じゃれ合っている一瞬の場面を見て,「いじめている」と判断するのではなく,子どもたちの関係性や雰囲気,前後のやり取りなどを汲み取ることが大切です。

本当にお友達が苦しそうな様子だったり,子どもがお友達に暴力をふるっていたりする場合は叱ってやめさせることも必要です。しかし,楽しそうな雰囲気でじゃれ合っているのであれば,「久しぶりの再会で嬉しそうだね!」「~くん,苦しくない?大丈夫?」などと現状を把握するための声掛けをしましょう。「お友達が苦しそうにしていたら止めてね」などと,先に声掛けしておくのも良いでしょう。

一瞬の場面を切り取り,子どもの行動を悪いことだと決めつけ,皆の前で注意すると,子どもは深く傷つきます。「こら!」「悪い子!」「いじめない!」などと一言で済ますのではなく,子どもの気持ちやその場の雰囲気を考慮した上で,声掛けの仕方を工夫しましょう

 

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学習効果を最大化するには?インプットとアウトプットのバランスが鍵

成績が上がらないからと言って,塾の授業数を増やすご家庭があります。しかし実際のところ,授業数を増やしても,成績が上がらないことがほとんどです。

なぜかというと,成績を上げるためにはアウトプット(=自分で問題を解くこと)が大切だからです。

塾の授業数を増やすと,解説を聞くことができるので,確かにインプットは増えるかもしれません。しかし,アウトプットについては,自分で意識して時間を確保する必要があります。塾の授業数を増やしても,通常アウトプットの時間は増えません

学習効果が高いインプットとアウトプットの割合は?

インプットとアウトプットがそれぞれどれくらいの割合のとき,学習効果が高まるのでしょうか。

コロンビア大学で,覚えるべき事柄をインプットする時間とアウトプットする時間を計り,実験者たちがどれくらいの割合のときに一番成績が高いのかを計測する実験が行われました。結果,インプットの割合が3割,アウトプットの割合が7割のときに,最も記憶に定着することがわかったそうです。

例えば,こんなことがありました。現在中学3年生のAくんは,成績がずっと横ばいで,中学2年生の秋ごろから焦り始め,当時通っていた集団指導塾の授業数を大幅に増やしました。しかし,1年経っても成績はほとんど変わりませんでした

私の教室に通い始め,私が指導を担当したところ,圧倒的なアウトプット不足であることが見て取れました。

  • 英作文で細かな部分を間違えてしまう
    • 解説を聞けば理解できるが,自分で文法規則を適用したり,前置詞・副詞を使用したりする際にミスしてしまう
  • 数学の問題を解くのに時間がかかりすぎる
  • 答えを見れば理解できるが,自分で解法を思いつくことが難しい

これらはアウトプットが不足しているときに見られる傾向です。自分で実際に問題を解き,問題に慣れたり,コツを掴んだりすることで改善されます。

Aくんは理解力が非常に高く,塾の授業を聞いて理解できるけれども,問題演習の量が足りず,テストで点数を取ることができなかったのです。

塾の授業数を増やしても,聞いて終わり,すなわちインプットのみだと実力は高まりません。自分で問題を解く,間違えたところは自力でできるように解き直すといったアウトプットをして初めて実力が付きます

成績が伸びないとき,インプットのみで終わっていないか,アウトプットができているか,インプットとアウトプットのどちらが足りていないかをぜひ振り返ってみてください。

 

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受験での1点の重要性とミスの厳しさ~その1点のミスが命取り!

「ここはミスだったから」「本当はできたんだよ」というようにミスを軽くとらえている子どもが少なくありません。しかし,受験においてこのような姿勢は命取りです。

受験では,1点の差に何十人もがひしめき合っています。1点でも合格点に足りないと,不合格になってしまいます。その1点がミスであっても,問題がわからないから取れなかった点数であっても,容赦なく得点で判断されます

私の同級生で,東大に1点差で落ち,浪人した子がいました。たった1点足りないだけで,1年を棒に振ったのです。もちろん,浪人生時代に学んだことも多々あったかもしれませんが,時間もお金もかかり,プレッシャーを1年間感じ続ける生活は,なるべく避けて通りたいものでしょう。

このような話を生徒さんにすると,「何で1点足りないってわかったの?」(東大では,受験生が希望すれば入試の際の得点を教えてもらうことができます)「浪人って何?」というように興味津々で質問してくれます。質問に答えると,「え~1点足りないだけで,もう1年勉強し続けないといけないの!?」「そんなの嫌だ」「1点って大事なんだなぁ」と言う子が多いです。

ミスをしないように叱るよりも,なぜミスをしないことが大切か,1点の重要性について子どもに話した方が,心に響くかもしれません。特に中学入試の場合は,初めて受験する子も多いので,このような話を事前にしていただくと心づもりができて良いと思います。

体調を万全に整え,ミスをしないように気を付けて,入試本番で実力を出し切ってきてほしいです!

 

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将来の夢が決まったきっかけ、どのくらいまでに将来の夢を決めておくのがいいのか

先日,とある中学校でキャリア教育の授業を行いました。その際に中学生から様々な質問をいただきました。同じような疑問を持たれている方もいるかもしれないので,ブログでも回答をまとめておきたいと思います。

今回の質問

  • 小さいときの将来の夢は何でしたか。
  • 将来の夢が決まったきっかけを教えてください。
  • そのくらいまでに将来の夢を決めておくのが良いのでしょうか。

将来の夢はずっとわからなかった

将来何になりたいかは実はずっとわかりませんでした。ただ,その時々に好きなことを見つけ,追い求めてきました。

小学生時代:国語や作文,絵を描くことが好き

→自分で絵本を創作したり,漫画を描いたりしていた。

中学生時代:英語が好き

→中2で英検2級取得。2週間,アメリカでホームステイを経験。

大学・大学院時代:言語が好き,教育にやりがいを感じる

→日本語,英語以外の言語もマスターしたいと思い,ドイツ語を学ぶ。ドイツの大学に1年間交換留学。家庭教師,塾講師のアルバイトで教育のおもしろさに気づき,留学期間を除く5年間,教育業界に従事。

昔から,言語や言葉に興味がありましたが,それをどのように仕事に生かせるかわかりませんでした

「外国語を使う仕事って何だろう?」と自分なりに考え,同時通訳,翻訳家,外交官,商社勤務などを検討したこともあります。しかし,詳しく学んだり,就職活動をしたりする中で,「やはり違うな」と感じ,自分の好きなことがどうやったら仕事に結びつくか,そのときはわからないままでした。

大学院修了後,大手IT企業に就職しましたが,教育事業のやりがいが忘れられず,自分で起業することにしました。

様々な教育プログラムを提供する中で,国語や英語の指導も続け,「この部分で行き詰っている子が多いな」「世の中にこんな教材があればいいのにな」と考えることが増え,教材の企画・開発をするようになりました。その結果,英文法ドリルを出版するに至りました。

自分が好きで打ち込んできた,国語,作文(=教材執筆),英語,教育がこのような形で仕事になるとは,大学生の頃は想像もしていませんでした。

私もやりたいことがまだまだたくさんあり,それをどうやったら形にできるか現時点ではわかりませんが,その時々のやりたいことに夢中に取り組んでいれば,自然と道は開けてくるのではないかと思います。最近,思ってもみなかった仕事もいただくことが増え,それらに取り組む中で,新しい人とのつながりができたり,自分の好きなこと(・嫌いなこと)がより明確になったり,さらに世界が広がりそうです。

「将来〇〇になりたい!」と,はっきりわからなくても大丈夫です!色々な体験をして自分が好きなことを見つけ,それに打ち込めば,どのような形で将来の仕事につながるか今はわからなくても,きっと道は開けるはずです。

 

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中学2年生からの質問「我慢強くない方なのですが,どうしたら諦めずに続けられるか」

とある中学校でキャリア教育の授業を担当させていただくことになりました。せっかくなら,生徒さんたちにとって有意義な時間になるといいなと考え,私のプロフィールを見ていただき,事前質問を募集しました。

たくさんの質問をいただき,感激したのと同時に,「自分もこういうことで悩んでいたな~」「中学生は悩み多き時期だよなぁ」と懐かしく思い出しました。

他の子どもたちも同じようなお悩みを抱えているかもしれないと思い,質問の一部と回答をブログにまとめることにしました。

今回は「我慢強くない方なのですが,どうしたら諦めずに続けられるか」という中学2年生からの質問に答えたいと思います。

「本当にやりたいことか」を考える

「我慢」という言葉が出てくるとき,実は本当はやりたくないことをやっている可能性があります。本当に自分がやりたいこと,実現したいことの場合,あまり我慢しているとは思わないような気がします。

例えば,私は東大に合格したかったので,高校時代には進んで勉強しました。遊びの誘いを断ったり,テレビを見たり,ゲームをしたりもしませんでした。そして,1日10時間は勉強するようにしていました。

しかし,それは自分にとって「我慢」ではありませんでした。東大に合格した先のことを思い浮かべ,一人でワクワクしていました。

本当にやりたいこと,実現したいことであれば,そのための努力は自分にとって「我慢」ではなく,「自然とついやってしまうこと」「強制されなくても自ら取り組んでしまうこと」のはずです。

だから,「我慢」という言葉が自分から出てくるとき,本当にそれはやりたいことなのか,心の底から実現したいことなのかを自問自答してみましょう。

夢や目標を実現するには相応の対価が必要

夢や目標を実現するためには,それ相応の努力が必要です。例えば,いくら東大に行きたいという気持ちが強くても,「勉強する」という行動を起こさなければ,現実は変わりません。

目標に向かって行動し続ける中で,辛いとき,もう辞めてしまいたくなるときも,もちろんあるでしょう。私も,模試の結果に落ち込んだり,勉強が嫌になって参考書を見たくもないときもあったり,何度も「もう辞めたい」と思ったことがあります。

このように一つのことを続けていると,モチベーションの波やスランプは誰しも経験します。いくら自分がやりたいこと,好きなことであっても,辞めたくなるとき,投げ出したくなるときはあるものです。

そこで諦めずに,もうひと踏ん張りできるかは重要です。それは「その夢や目標をどのくらい達成したいか」という想いの強さにかかっていると感じます。

「本当にそれは成し遂げたいことなのか」を自問自答し,必ず叶えたい夢や目標であれば,それが叶ったときのことをイメージし,時には休みを挟みながらも,「もうひと踏ん張り!」を繰り返しましょう。そうすることで,いつの間にか「我慢強く」なっているはずです。

 

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